« 有権者のマジョリティはB層/日本の針路(278) | トップページ | アベノミクスの帰結としてのヘリコプターマネー/アベノポリシーの危うさ(93) »

2016年7月24日 (日)

真昼の暗黒か、ゲスの極みか/日本の針路(279)

混沌とした都知事選の中で、鳥越俊太郎氏に対する激しいネガティブキャンペーンが展開されている。
無党派層を鳥越氏と分け合うと言われている小池百合子氏は、街頭で「政策もない病み上がりの人」と表現した。

小池氏は7月17日に秋葉原駅前で行った街頭演説で「この人なら勝てると言って、政策も何もない人、病み上がりの人をただ連れてくればいいというものではないんです」と発言していた。
小池氏は当初「言ってないです、記憶にないですね」と笑いながら発言自体を否定していたが、鳥越氏に「がんサバイバーに対する大変な差別ですよ、偏見だ」と責められると「もし言っていたならば、失礼なことを申し上げて恐縮です」と謝罪した。しかしその後、小池氏は「これが選挙なんですよ、坂上さん」と述べた上で、「逆にその部分しかご質問はないんですか?」と切り返していた。
鳥越俊太郎氏は「病み上がりの人」 小池百合子氏が発言を謝罪【都知事選】

「これが選挙」かも知れないが、ゲス感は否めない。
参院選に続く野党共闘に相当神経を尖らしていることは間違いない。
スクープを連発してきた週刊文春が、7月28日号で、鳥越氏の疑惑を取り上げた。
160728

記事を読むと間接的な証言だけの「疑惑」であるが、その影響力は大きいだろう。

「鳥越さんを支援してきた共産党系女性支持者の間で“鳥越嫌い”が広がりつつあります。共産は個人演説会などの箱物イベントを仕切り、動員をかけて盛り上げる。民進は街頭演説などの遊説を担当する、とすみ分けてきた。基礎票があってないような民進と比べ、確実に票読みができる共産の一角が崩れてしまうのは痛い」(都政関係者)
スキャンダルで離れる共産女性票 鳥越氏に起死回生策は?

コアな共産党系女性支持者に影響があるかどうかは疑問であるが、いわゆる「B層」の女性に対しては強く影響するだろう。
私の知り合いの小池批判をしていた女性も鳥越批判を始めた。
裁判になれば、名誉棄損でも公選法違反でも、文春不利とみられるが、それで問題解決というわけではない。

基地問題で安倍官邸に抵抗し続けている翁長雄志・沖縄県知事に関し、官邸が内閣情報調査室や公安に命じて、スキャンダルを必死で探しているという情報がある。

 すると、昨日発売の「週刊文春」(文藝春秋)4月23日号がさっそく「翁長知事を暴走させる中国・過激派・美人弁護士」と題した大特集をトップで掲載したのである。
 もっとも、この特集、タイトルとページ数のわりに中身はスカスカ。「公安関係者」のあやしげなコメントがいくつも登場し、翁長知事をなんとか貶めようという意図は見えるのだが、肝心の事実がまったく書かれていない。
官邸情報で翁長知事バッシング!「週刊文春」編集長と安倍、菅の知られざる"関係"

鳥越氏や翁長氏のネガティブ情報を流すのは積極的な官邸への加担ということだが、沖縄記事をさておいて、ポケモン情報を一面トップに据えた朝日新聞は消極的な加担ということだろう。
オピニオン紙からの転落の道を一直線だ。
Photo
高瀬毅のツイッター投稿

メディア支配が完了すればアーサー・ケストラーの『真昼の暗黒』の世界になるだろう。
⇒2012年2月22日 (水):小沢強制起訴裁判で墓穴を掘るのは誰か?
⇒2012年11月15日 (木):小沢無罪判決/花づな列島復興のためのメモ(158)

|

« 有権者のマジョリティはB層/日本の針路(278) | トップページ | アベノミクスの帰結としてのヘリコプターマネー/アベノポリシーの危うさ(93) »

ニュース」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

日本の針路」カテゴリの記事

コメント

いわゆる「B層」の女性に対しては強く影響するだろう。

→大衆女性もそこまで馬鹿じゃないんじゃない?それ以外の要素で投票したと思うよ、小池に。何?その上から目線…自分だけがモノを分かっているかのごとき。

投稿: | 2016年9月 1日 (木) 08時50分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 真昼の暗黒か、ゲスの極みか/日本の針路(279):

« 有権者のマジョリティはB層/日本の針路(278) | トップページ | アベノミクスの帰結としてのヘリコプターマネー/アベノポリシーの危うさ(93) »