テレビ草創期からのマルチタレント・永六輔/追悼(88)
放送作家、タレント、エッセイストなど、多分野で活躍した永六輔(本名・永孝雄)さんが亡くなった。
83歳だった。
東京・浅草の寺の息子として生まれた。中学生のころからNHKラジオ「日曜娯楽版」に投稿を始める。早稲田大在学中に同番組を手がけていた三木鶏郎に見いだされ、放送作家、司会者としてデビューした。
作曲家の中村八大に誘われ、作詞家業を開始。中村・永のコンビで1960年代に「こんにちは赤ちゃん」など数々のヒット曲を手がける。なかでも坂本九が歌う「上を向いて歩こう」は大きな反響を呼んだ。
作詞した曲はほかに、作曲家いずみたくと組んだ「いい湯だな」「見上げてごらん夜の星を」、中村と組んだ「黄昏(たそがれ)のビギン」などがある。
60年代半ばからは軸足をラジオの世界に移した。67年から2013年9月まで放送されたTBSラジオ「永六輔の誰かとどこかで」は放送回数が1万2629回に達し、同一人物が出演する同局の番組としては最長寿となった。同局の「永六輔その新世界」も91年から15年9月まで続いた。好きな旅で得た話から時事問題まで縦横無尽に語り、ラジオパーソナリティーとして活躍した。
94年には老いや死を巡る言葉を集めたエッセー「大往生」が200万部を超えるベストセラーになった。96年9月〜16年2月の間、毎日新聞朝刊でコラムを執筆(15年10月以降は東京都内版掲載)。00年には菊池寛賞を、14年には毎日芸術賞特別賞を受賞した。60年安保反対闘争に参加し、尺貫法の復活を唱え、市民運動家としても知られた。
訃報 永六輔さん83歳=放送作家、ラジオタレント
テレビの草創期から活躍してきた人だった。
今の時代「大往生」と言うにはいささか早いような気もするが、やりたいことはほとんどやったのではなかろうか。
中村八大、坂本九と組んだ「六八九」トリオも全員冥界に入ったことになる。
あちらでも賑やかに活躍するような気もする。
合掌。
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