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2016年7月 4日 (月)

原発事故と甲状腺ガン/原発事故の真相(144)

福島県の子どもの甲状腺検査(本格調査、2巡目)で、3月末までに甲状腺がんと確定したのは30人になった。
前回公表(昨年12月末現在)の16人から14人増えている。
しかし、星北斗座長(県医師会副会長)ら委員は、子どもたちの中でも放射線の影響を比較的受けやすい若い年齢層に多く発症してない状況などを踏まえ、「現時点で放射線の影響は考えにくい」とする見解を改めて示した。

不可解な委員会の判断である。
原発事故の影響を完全に否定し切れる根拠がある場合以外は、その可能性は消し去るべきではない。
放射線の影響はないのかも知れないが、あるかも知れないと考えておくのは当然である。
1606282
東京新聞6月28日

事務局の県によると、「確定」の人数が増えたのは前回公表で「がんの疑い」となっていた多くの子どもの検査結果が確定したためだという。
「疑い」の人数は27人で前回より8人減っているが、「確定」と「疑い」の合計は前回より6人多い57人だった。

福島県の小児甲状腺がんの多発が被ばくの影響だと疑うのは、チェルノブイリ事故の教訓から当然だが、今の段階で断定するのは困難であろう。
県には事故との因果関係を否定しようというバイアスが掛かっているように思う。
被ばく児童に対する県外の忌避感や差別を招かないように、という配慮であろうが、それはまた別の問題である。
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週刊現代2014年6月21日号

冷静に情報をオープンにして考えるべき問題だ。

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