有権者のマジョリティはB層/日本の針路(278)
安倍政権が非論理的であっても(あるが故に)、選挙で勝つのは、日本の有権者のマジョリティが「B層」だからである。
『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫(2015年9月)の著者適菜収氏は、週刊新潮160728日号で、郵政民営化との関係で「B層」を次のように説明している。
「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」:主婦層やシルバー層など。
B層は、構造改革の内容など知らないし、知ろうともしない。ただ、変革、改革、刷新などの言葉に引きずられていく。
「改革なくして成長なし」「聖域なき構造改革」などの言葉がB層に向けて発せられ、見事に功を奏した。
かくしてB層はますます跋扈する。
「それでも自民党は民主党よりマシだ」「安倍さんの他に誰がいるのか」「対案を示せ」・・・・・・
今やB層は戦略的ターゲットというよりも、首相あるいは政権そのものである。
自民党比例代表で当選した元アイドル歌手の今井絵理子氏は、沖縄出身であるが、米軍基地問題を質問され、「わからない」「これから勉強します」と答え、選挙中は「選挙で忙しいので、政策の話をしている暇がない」と語った。
いずれ神奈川選挙区で当選した三原じゅん子氏のように、「八紘一宇」を「日本が建国以来、大切にしてきた価値観」と言い、「神武天皇は実在した」と言うようになるのだろうなあ。
⇒2015年3月18日 (水):確信的「無知」の「無恥」・三原じゅん子/人間の理解(10)
⇒2016年7月11日 (月):参院選の結果と今後の課題/アベノポリシーの危うさ(90)
反知性主義がこの国を覆っており、このままでは滅びるだろう。
C層が団結して向かうしかないだろう。
「B層」が国を滅ぼす(1)
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