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2016年6月 8日 (水)

誤りを謝らなくてもいい口実/永続敗戦の構造(3)

安倍晋三首相は、1日の記者会見で、来年4月に予定していた消費税率の引き上げについて、「内需を腰折れさせかねない。延期すべきだと判断した」と述べ、2019年10月に再延期する方針を表明した。
首相は15年10月に予定していた10%への引き上げを17年4月に1年半延期する方針を表明した際、「再び延期することはない。はっきり断言する」と述べた。
その後、国会答弁などで「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施する」と繰り返してきた。
しかし1日の会見では、「現時点でリーマン級の事態は発生していない」として、従来の発言と整合性がないことを認め、「批判も含めて(参院選で)審判を仰ぎたい」と述べた。
⇒2016年6月 2日 (木):精神鑑定が必要な安倍首相/アベノポリシーの危うさ(75)

新しい判断だと言う。
6月6日の日本経済新聞のコラム「春秋」は言う。

 ある母親と子どもの会話――。「遊ぶのは宿題を済ませてからって、約束したでしょ」「お母さんごめん。まず遊んじゃおうって、新しい判断をしたんだ」。はたまた妻と夫は――。「あなたきょう休肝日じゃないの?」「いやいや毎日飲むぞ。これは新しい判断だよ」▼いま、ちまたでネット空間でこういうジョークがはやっている。発信源はもちろん、われらが安倍首相だ。消費増税の先送りを表明した先日の記者会見で、安倍さんは今回の展開を「新しい判断」と言いつくろった。気持ちはわからぬでもないがちょっと苦しい。今年の流行語大賞に入るのは間違いなし、なんて声もある。
・・・・・・

また、6月2日の東京新聞のコラム「筆洗」は次のようである。

失敗しない人間はいない。それでも謝らなくてもよいとは何とも魅力的な番組ではないか。会社でつまらぬミスをしては上司に叱責(しっせき)される。家庭において生ごみを出し忘れ、妻にうんざりされる。この技術を覚えれば、謝る日々とはおさらばである▼こんな場合を例にその方法を教えていた。絶対にやると言っていた約束を一方的に破る場合の対応である。耳を疑った。そんな場合に謝らないで済む方法などあるはずがない▼ところがである。その方法はあった。講師によると、まずは絶対に「約束を破った」と認めてはならないという。約束を破るのではなく、新しい判断とか、異なる判断をすると言い換える。なるほど間違いを認めなければ、謝る必要もない▼もし約束を守れば、世界の破滅が待っていると恐怖を煽(あお)るのも相手を納得させる効果があるそうだ。世界のリーダーや立派な学者も自分を支持していると加えることもお忘れなく。決めぜりふは「どっちが正しいか、町の意見を聞いてみよう」。これで、そもそも約束を破ったという事実を完全にけむに巻ける。謝らずに済む

「批判も含めて(参院選で)審判を仰ぎたい」というが、そもそも消費増税を嬉しく思う有権者は少ないだろう。
「審判を仰ぐ」と言うならば、アベノミクスと称する経済政策が期待した結果を出していないことを認めて、改めて是非を問うべきだろう。
事実誤認のままでは誤りを拡大再生産する。
戦況が不利であることを認めず、原爆投下を招いてしまった大本営の轍である。
もっとも、廃線も認めず、終戦と言い換えて来たのだから、また同じことだろう。
白井聡『永続敗戦論ー戦後日本の核心』太田出版(2013年3月)で提起された永続敗戦の構造である。
教科書問題を考える 小石川有志の会」が白井氏を招いて行った学習会のサイトに次のずがある。
Photo_2

柳の下に二匹目のドジョーがいると思っているのだろう。
断固、誤りは誤りであることを認めさせなければならない。

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