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2016年6月29日 (水)

テール・リスクは意外に起こる/知的生産の方法(153)

私たちが体験する現象は、多くの場合、正規分布をしている。
正規分布とはの形は釣鐘型(ベル・カーブ)である。
つまりばらつきが、平均値を境として前後同じ程度であり、分布図が平均値を線対称軸とした左右対称になっている。
成績の分布、身長や体重の分布などは正規分布と考えられる。

正規分布の場合、分布曲線の裾野幅が広いのは、大きなバラツキがあることを表しており、その指標が標準偏差(SD)である。
SDは、簡単にいうと、平均からどのくらい離れているかの幅を示している。
受験でお馴染みの偏差値は、ある集団の中での位置を示す数値のことである。
平均点をとった人の偏差値を50として平均点より得点が上なら偏差値は51、52…となり、得点が平均点以下ならば49、48…となる。
成績を見るときは、得点、順位などを確認するが、例えば国語が60点、英語が50点だった場合、国語の方がよい成績とはいえない。
なぜなら得点は国語と英語の問題の難易度も影響するからである。

このような場合、偏差値を使えば、受験した集団の中での自分の客観的な学力位置がわかる。
例えば、国語の偏差値が55、英語が50だったら国語の方がよい成績だと言える。
偏差値=(個人の得点-平均値)÷標準偏差×10+50
Normal_distribution_and_scales
数の話  偏差値と正規分布

正規分布の両端は稀な事象である。
ところが正規分布で予想されるよりも両端の起こる確率が高いような事象がある。
ベルカーブの裾野が厚い分布であり、ファットテールと呼ばれる。
Ws000000
相場における確率/正規分布とファットテール

相場においては、予想される確率よりもずっと高い確率で、大きな変動が起こる。
リ-マンショックやBrexitショックは決して「想定外」とは言えない。
「世界経済の潜在的なリスクに備えるため」ともっともらしいことを言った安倍首相が、一方で年金原資などのリスク市場での運用を拡大している。
GPIFの損がいくらになるのか?
参院選の前には公表されない。

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