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2016年6月30日 (木)

自民党におけるガバナンスの喪失/日本の針路(275)

自民党のタガが緩んでいる。
と言うよりも、崩壊が始まっていると言うべきかも知れない。
有力な支持基盤であったはずの「成長の家」や「東北地方のJA系団体が離れつつある。
⇒2016年6月12日 (日):生長の家が自民党支持を取り止め/アベノポリシーの危うさ(80)
⇒2016年6月27日 (月):JA東北の自民離れはどう影響するか/日本の針路(274)

余りにでたらめな政権運営の当然の結果である。
この期に及んでまだ自民党にしがみついているような人間は救いがない。
早かれ遅かれ、退場して行くであろう。
身内の石破茂地方創生相も、盛岡の応援演説で次のように言った。

 29日午前、盛岡駅前でマイクを握った石破大臣は、アベノミクスをこう評したのだ。
「大胆な金融政策で円を安くし、輸出を伸ばし、株を上げてきた。そして、財政出動で公共事業を行い、経済が停滞しないようにした。しかし、大胆な金融緩和はいつまでもいつまでもできるものではない。財政出動もいつまでもどこまでもできるものではない」
 要するに「異次元の金融緩和」と「財政出動」で回してきたアベノミクスの限界を暴露し、「アベノミクスのエンジンを最大限ふかす」とかいう主張で選挙戦を乗り切ろうとしている安倍首相を、真っ向から否定したようなものだ。
ついに本音か 石破地方相が応援演説で“アベノミクス批判”

石破氏を支持はしないが、この発言はその通りだ。
自民党のガバナンスが音を立てて崩れて行く。
今度は、都知事選に小池百合子氏が、十分な調整なしで出馬表明をした。

Img_4b4730f4fc9c2dae18b9bd7cc992d4d蓮舫氏の不出馬表明は自民、公明両党にも大きく影響した。集票力のある蓮舫氏の対抗馬として、自民党は知名度が高い小池氏を擁立することで調整していた。しかし、ここにきて「蓮舫氏以外ならば俺でも勝てる」と淡い期待を抱く関係者が続出。小池氏を擁立させたくない勢力が台頭している。
水面下の選考作業はどうなっているのか。首相官邸関係者は「いまは小池氏を推したいグループ以外に3つの勢力がある」と明かす。1つは小池氏の自民党総裁選への出馬や閣僚就任に反対してきた森喜朗元首相の意向を忖度する勢力だ。森氏は公言していないものの、森氏に近い自民党幹部は「小池氏が都知事になるのは面白くないだろう」(政府関係者)と見て別の候補擁立を模索している。
2つ目は、人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔氏の父親で知られる櫻井前総務事務次官の擁立に固執する勢力。櫻井前事務次官はテレビカメラの前で「都知事選には出ません」と正式に固辞したが、櫻井翔氏の人気を取り込みたい政府高官は「菅義偉官房長官が説得すれば翻意する可能性もある」と巻き返しを狙う。
3つ目の勢力は、与野党で相乗りできる候補を模索する動きを見せている。民進党の選考過程で名前があがる長島氏らに自民党サイドからも接触し、事実上の統一候補として「共闘」するというものだ。
小池百合子出馬表明! スクープ都知事選「ココでしか書けない全内幕」

こんな選び方をするから不祥事を繰り返すのだ、と思うが、近視眼になっている関係者には目に入らないだろうなあ。
まあ私は小池氏が相応しいとはまったく思わないが、「森喜朗元首相の意向を忖度する勢力」などは、森氏ともども消え去ってくれることを期待する。
まったくこの連中の挙動が報じられると胸くそが悪くなる。

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