イギリスのEU離脱とアベノミクスの失敗/アベノポリシーの危うさ(84)
イギリスの国民投票でEU離脱が報じられると、世界株安となった。
日経平均株価も1286円下落して、15000円を割り込んだ。
円/ドルも99円台にまで高騰した。
アベノミクスが喧伝されるようになって、円/ドルは80円から120円超にまでなったが、既にその効果の半分が失われている。
円安を招来したのは、アベノミクスの第一の矢と言われる大胆な金融緩和政策である。
黒田東彦日銀総裁は2013年4月「2年で2%の物価上昇を目指す」として異次元金融緩和に踏み切った。
円安によって輸出中心の大企業は収益が伸びたが、中小企業は原材料の輸入コスト増に苦しんだ。
法人税引き下げや投資減税の恩恵を受けたのも黒字大企業だ。
内部留保は過去最高となったが実質賃金は低下している。
⇒2016年6月23日 (木):経済政策の前提としての現状認識/日本の針路(273)
GDPが伸びないまま高株価を演出してきたため、バフェット指数は割安から割高に転じている。
アベノミクスの限界は明らかであった。
⇒2016年6月18日 (土):参院選の争点としての虚構経済政策/アベノポリシーの危うさ(83)
大部分の家計は、円建てで営まれているはずである。
とすれば円安が好ましいとは言えないだろう。
しかしイギリスのEU離脱は少なくとも短期的にはわが国経済に影響するだろう。
以下のようなシナリオが想定されている。
東京新聞6月25日
今政府が行うべきは、消費の低迷対策である。
消費増税などもってのほかである。
タックスヘイブンなど「違法ではないが不適切」な租税回避を防止し、所得税の累進課税や純資産への累進的な課税が必要である。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「思考技術」カテゴリの記事
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 横畠内閣法制局長官の不遜/安部政権の命運(91)(2019.03.12)
- 安倍首相の「法の支配」認識/安部政権の命運(89)(2019.03.10)
「アベノポリシーの危うさ」カテゴリの記事
- 明治礼賛という時代錯誤/アベノポリシーの危うさ(339)(2018.10.26)
- 安倍所信表明演説批判/アベノポリシーの危うさ(338)(2018.10.25)
- 森友疑惑(68)財務省が文書改竄?/アベノポリシーの危うさ(337)(2018.03.03)
- 森友疑惑(65)財務省が文書開示/アベノポリシーの危うさ(336)(2018.02.10)
- 森友疑惑(64)佐川長官の虚偽答弁/アベノポリシーの危うさ(335)(2018.02.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント