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2016年5月 3日 (火)

マイナス金利という愚策/アベノポリシーの危うさ(60)

「新潮45」の5月号に、小野善康大阪大学特任教授の『マイナス金利よいう愚策』という論文が載っている。
小野氏は次のように言う。

自ら「異次元」と呼ぶ極端な金融緩和政策は、まったく効果がないことがわかってきた。それでも、あれだけ金融緩和を前面に掲げて登場した以上、政府も日銀も引っ込みがつかない状態になっている。そのあげくに出てきたのがマイナス金利である。これは効果がないばかりでなく、金融危機の危険をさらに増幅させてしまう。

現在のように、長期不況の状況で有利な投資先がないと、マイナス金利でない限り、銀行は日銀の当座資金に置いておくことが有利な選択肢になって、日銀当座預金が法定準備金を越えて積み上がる。
日銀はこれに対して当座預金から引き出させたいので、ゼロ金利からマイナス金利にした。
しかし、ゼロ以下では効果がない。
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銀行は当座預金から引き出しても家計や企業への貸し出し増や資産投資の拡大に繋がらない。
資金を現金で積んでおくという選択肢があるからだ。

これは一般家庭でもおなじである。
預金の金利がマイナスになれば、銀行に預ければ元金が目減りする。
それなら自宅で現金を保管しておいた方が価値を保つことができるだけメリットがある。
実際にマイナス金利導入以降、金庫が爆発的に売れているということは、家計がそう行動しているということだ。
金融緩和が効果を持つにしても、ゼロ金利の範囲であり、マイナスにまで拡大しても効果はない。
現在の日本は、お金があっても消費も投資も増えないのだ。
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日銀の貨幣供給量とGDPおよび消費者物価指数(CPI)の関係は下図のようである。
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90年代から現在に至るまで、金融緩和は、景気にも物価にも全く影響を与えていないのである。

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