もはや錯乱の域の安倍首相の認識/アベノポリシーの危うさ(61)
外遊中の安倍首相の発言が奇妙だ。
5月5日のロンドンでの内外記者会見の冒頭発言である。
世界経済の「下方リスク」と「脆弱性」が高まっている。こうしたリスクに、G7が、いかにして協調して立ち向かうことができるかが、伊勢志摩サミットの最大のテーマであります。G7がリードして、世界経済の持続的かつ力強い成長への道筋を示す。政策協調への力強いメッセージを打ち出さなければならなりません。
なすべきことは、明確です。
アベノミクスの「三本の矢」を、もう一度、世界レベルで展開させることであります。
自由な競争の中から、新しい技術革新が生まれ、そして、新しい付加価値が生まれます。構造改革を推し進め、「良いものが良い」と評価される、自由で公正な市場を創らなければなりません。そのためにも、日本は、TPPや日EU・EPAの実現を急いでいます。
多くの専門家は、今年、更なる景気悪化と、世界的な需要の低迷を見込んでいます。安定した成長軌道を目指し、この低迷した状況から、一気呵成に抜け出す。「脱出速度」を上げていくためには、金融政策だけでなく、財政政策においても、機動的な対応が強く求められています。新興国を中心に、質の高いインフラや環境分野での投資を、一層拡大していくことも必要です。
首相官邸
今やアベノミクスと称する政策が効なく、副作用が懸念されることは明らかであろう。
4月28日の黒田東彦日本銀行総裁が金融政策決定会合後に行った記者会見で、追加緩和に対する「ゼロ回答」を発表した結果、安倍首相外遊中に一時105円まで円高が進行、株価は1万6,000円を割り込むこととなった(6日の東京外為市場は107円に戻し、同日株価の終値は1万6,106円)。
伊勢志摩G7サミット(5月26~27日)で議長を務める安倍首相は、GW中にイタリア、フランス、ベルギー、ドイツ、英国、ロシア6カ国を歴訪した。
最大の眼目は、財政規律を重視し財政出動に慎重なメルケル首相を説得することだった。
だが、メルケル首相から「賛同する」という回答を引き出すことができなかった。それどころか、中央銀行の金融政策、政府の機動的な財政出動と構造改革の3つの包括的対応の必要性を説かれたのである。
メルケル首相は次のように語った。
「私たちは経済・金融危機から学んだことがある。だから私たちはEU経済域内で一貫した、協調した形で次なるステップに向かうべきだ。私としては構造改革の必要性と、そしてもちろんECB(欧州中央銀行)の金融政策に影響を受けるわけで、日銀とECBの協力(問題)もあると思う。それから財政出動の問題がある。従って、この3つ(の包括的対応)が必要である」
安倍首相「欧州歴訪」の結末 〜なぜメルケル首相を説得できなかったのか?
本気で「アベノミクスの「三本の矢」を、もう一度、世界レベルで展開させること」を考えているのだろうか?
もはや錯乱というべきではないだろうか。
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