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2016年5月 9日 (月)

分ける思考(4)マトリクス/知的生産の方法(148)

マトリクスすなわち2軸による思考は、マーケティング戦略等でビジネスパーソンにとってはなじみ深いものである。
代表例は、BCGのPPMであろう。
「経験効果曲線」と「製品(市場)ライフサイクル」という2つの要素の複合により、好ましい事業の組み合わせを検討する手法として考案されたものである。

1960年代の後半、Boston Consulting Group (BCG)社のB.Hendersonによって、経験曲線効果という概念が提唱された。
経験と効率との間の関係を示す経験則であり、単に経験効果とも呼ばれる。
一般に個人や組織が特定の課題について経験を蓄積するにつれて、より効率的にその課題をこなせるようになることを指す。
また累積生産量の増加に伴って、製品数量ごとの間接費を含めた総コストが予測可能な一定の割合で低下していくことを指す。
1970年代にBCG社によって行われた調査により、この効果は様々な産業において確認された。

経験曲線の前身となった概念として学習曲線がある。
これは課題を反復してこなした回数が増えるほど、一回ごとに要する労働時間は減少することを表す。
この概念は1936年、航空機の生産機数が倍になると、機数あたりの作業時間は10-15%減少するという経験則として発見された
。この経験則は即ち、生産された品物の数の増加に伴い、生産コストが予測可能なペースで減少することを意味した。

経験曲線は学習曲線より広い概念であり、その対象は単に労働時間に留まらない。
経験曲線効果は、ある業務がより頻繁に実行されるようになると、そのコストが減少することを表す。
これはどのような商品やサービスにも適用できる。
累計での生産回数が倍になるごとに、生産回数あたりの総費用(生産、管理、マーケティング、販売を含む)は一定かつ予測可能な速度で減少する。
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事業ポートフォリオ管理(3) - ポートフォリオ組み換え方法

製品が市場に登場してから退場するまでの間をPLC(プロダクトライフサイクル)という。
普通は各製品に対してこの間の売上と利益の変化に着目して、最適のマーケティング戦略を構築するための基本的な情報となる。
プロダクトライフサイクル(製品の寿命)は、大きく分けて4つの段階に分けられる。
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製品ライフサイクル|マーケティング用語集

「経験効果曲線」から「相対的市場占有率(シェア)」を横軸に、「PLC」から「市場成長率」を縦軸に、2次元で描画することにより、有名な「BCGマトリクス」が得られる。
市場成長率、市場占有率それぞれの高低により4つの象限(項目)に分類したものである。
Ppm
マーケティングの基本まとめノート【入門】

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