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2016年5月29日 (日)

首相の「リーマン級」は霞が関文学/アベノポリシーの危うさ(71)

27日閉幕した主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で、安倍晋三首相が「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」との景気認識をもとに財政政策などの強化を呼びかけた。
これについて、エコノミストから異論が相次いでいる。
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東京新聞5月28日

各国首脳からも「危機」という言葉に異論が出た。
⇒2016年5月27日 (金):伊勢志摩サミットは選挙のツールか?/アベノポリシーの危うさ(70)
海外メディアからも批判的な論調が相次いでいる。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「世界経済が着実に成長する中、安倍氏が説得力のない(リーマン・ショックが起きた)2008年との比較を持ち出したのは、安倍氏の増税延期計画を意味している」と指摘した。
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 英BBCは27日付のコラムで「G7での安倍氏の使命は、一段の財政出動に賛成するよう各国首脳を説得することだったが、失敗した」と断じた。そのうえで「安倍氏はG7首脳を納得させられなかった。今度は(日本の)有権者が安倍氏に賛同するか見守ろう」と結んだ。
 仏ルモンド紙は「安倍氏は『深刻なリスク』の存在を訴え、悲観主義で驚かせた」と報じた。首相が、リーマン・ショックのような事態が起こらない限り消費税増税に踏み切ると繰り返し述べてきたことを説明し、「自国経済への不安を国民に訴える手段にG7を利用した」との専門家の分析を紹介した。首相が提唱した財政出動での協調については、「メンバー国全ての同意は得られなかった」と総括した。
 米経済メディアCNBCは「増税延期計画の一環」「あまりに芝居がかっている」などとする市場関係者らのコメントを伝えた。
 一方、中国国営新華社通信は「巨額の財政赤字を抱える日本が、他国に財政出動を求める資格があるのか?」と皮肉った。首相が新興国経済の減速を世界経済のリスクに挙げたことへの反発とみられ、「日本の巨額債務は巨大なリスクで、世界経済をかく乱しかねない」とも指摘した。
伊勢志摩サミット「リーマン級」に批判相次ぐ

海外からも「消費増税延期の口実」と見透かされている。
側近の稲田政調会長も見ていないと言う。
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【身内さえも】自民・稲田朋美政調会長「サミットで首相が示した資料は一度も見ていない」


霞が関官僚が首相の意を汲んで作成したいわゆる霞が関文学の一種であろうが、何ともセコイのではなかろうか。
⇒2012年10月10日 (水):「霞ヶ関文学」と「東大話法」はメダルの表裏/花づな列島復興のためのメモ(149)

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