TPPで何が決まったのか?/アベノポリシーの危うさ(51)
TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案をめぐる国会審議は、自民党政権の余りのいい加減さを見せつけるものとなっている。
全面墨塗りの記録など、バカにしていると思う。
⇒2016年4月 8日 (金):秘密のヴェールに包まれたTPPと甘利前大臣/アベノポリシーの危うさ(50)
ことに衆議院TPP特別委員会・西川公也委員長は、関連自著を出版準備中だったという。
「『TPPの真実』といわれるこの本のゲラとされるものでありますが」-民進党の緒方林太郎議員が手にしているのは、西川委員長が出版を予定していた著書の原稿。政府が守秘義務に関わるとしている交渉の経緯が書かれていると指摘した上で、西川委員長に対し、自らが書いたものなのかただした。
西川委員長「委員長は答弁する立場ではありません」
民進党は、こうした答弁が不誠実だとして委員会室を退席。この後、マイクが西川委員長のある会話を拾っていた。
西川委員長「あれは全部文書からはね、今の新しいやつは消えてるんですよ。自分できれいに整理をしたやつじゃなくて、一番古いのが出てるんですよ。書き殴ったやつが。だけど認めないんでしょ。深掘りしてくるから」
西川氏、マイク気づかず“漏れた会話”とは
西川氏自身が、原稿であることを認めているのである。
もっとも安倍首相が、「TPP反対ということは、公約ではあるけど自分の口からは言っていない」とスゴイことを言っているのだから、無茶苦茶である。
「私自身は、TPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございませんから。まるで私が言ったかの如くのですね、発言は慎んでいただきたい」
と言っちゃったのです(呆れ)。
25秒の動画ですから、得意満面な様子を見てやってください。
安倍総裁に言わせれば自分の口から直接言ったのは、
「聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加には反対する」
と言っただけで、無条件でTPP参加に反対したわけではないということらしいんですが(こういうのを法律用語で善意解釈=善解と言います)。
しかし、実際には、TPPでは95%の物品について関税撤廃を約束してしまっており、さらに聖域としたコメなど5品目についても今わかっているだけで3割の関税削減を約束しちゃってますからね。
完全に関税撤廃に聖域なんて作れなかったわけで、自分の口で直接言った公約さえ、全く守れなかったことは明らかで、つまり安倍総裁は嘘を言ったことに間違いないわけです。自民党はTPP反対と公約したけど、自分の口からは直接は言ってないもんねえ、と言い出すお子ちゃま総理。
世も末であるが、いつまでもこの国を任せるわけには行かないのだ。
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