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2016年4月

2016年4月30日 (土)

偽装企業の真打ち・三菱自動車/ブランド・企業論(51)

企業不祥事のニュースが続いている。
財界の中核・三菱グループで、2000年、2004年に大規模なリコール隠しが相次いで発覚した三菱自動車が、燃費データ不正問題で窮地に陥っている。

 国が実施する燃費試験で使う「走行抵抗値」は本来、中央値を国に提出すべきところを、意図的に有利な数値を算出。法令外の試験方法でデータを取得していたことも判明。燃費目標は社内会議で繰り返し、上方修正していたという。
 当初不正が発覚したのは、2013年6月発売の「eKワゴン」や共同開発相手の日産自動車向けに生産する「デイズ」など軽自動車4車種で、対象は62万5000台だった。
 それが今回、標準車や4WD車でも、本来は走行抵抗値をそれぞれ実測すべきところを、先の目標燃費に合わせ、机上で算出していたことが明らかに。不正開始が25年前にまでさかのぼることから、燃費データ不正の車が今後大幅に増えることは間違いない。
 相川哲郎社長は、25年前から法令外のデータ取得法を採用していたことについて「私自身、全く承知していなかった。社内で長期間疑わず伝承された可能性がある」と会見で述べたが、“知らなかった”では済まされない。本紙が極秘入手した内部文書には、燃費に関するユーザーの問い合わせが列挙されている。文書は画像で読者にお見せできないが、驚きの内容が記されている。
三菱自動車の燃料データ不正 内部文書に記された驚きの「燃費」実態

三菱自動車工業株式会社は、1970年に三菱重工業から独立した三菱グループに属する自動車メーカーである。
国が法令で定める方法とは異なる手法で燃費データを測っていたのは1991年からだという。
その手口は以下のようであった。
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三菱自動車の燃費偽装問題

「組織の三菱」などと称されるが、三菱グループは金曜会という企業グループを形成しており、次のようなヒエラルキーだと言われる。
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三菱グループ最高機関「金曜会」は自工をどう救うか

「ギャラン」「ランサー」「パジェロ」等の名車を生んだ自工は、「御三家」「主要10社」の下の序列である。
しかし現社長の相川哲郎氏は、三菱重工の社長、会長を歴任した三菱グループの重鎮の相川賢太郎氏である。
おそらくグループの総力を挙げてサポートするだろうが、三菱自動車はどうなるか?
「組織の三菱」とはいえ、一枚岩とは言えない要素もあるようだ。

「会社全体に『何とかなる』という空気が充満している。上層部の命令は絶対で、出世する人はごますり上手のイエスマンばかり。過去のリコール問題後も体質は変わらず、優秀な技術者は次々と辞めていった」(別の関係者)
 そうしたツケが一気に回ってきた形だが、同社には今後“賠償地獄”が待っている。購入者への補償について、同社は対象車の買い取りはせず、燃費偽装分のガソリン代を払う方針だが「購入者がそれで納得するとは思えない。三菱が今回行ったのは詐欺と言っていい。集団訴訟も想定される」(業界関係者)
 デイズを販売する日産との関係も見直されそうで、補償費用は数百億円規模に上る。国も動く。今回の問題で、燃費に応じて自動車購入時の税金が安くなるエコカー減税の額が変わることが想定され、その差額分は購入者ではなく、三菱側が負担することになる。
【燃費データ不正問題】内部文書入手!三菱自動車に驚愕クレーム

不祥事というより犯罪という方が適切かも知れない。
相川社長が自ら言うように、企業の存続に係わる問題であることは間違いない。

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2016年4月29日 (金)

アベノミクスは効果なく、副作用は?/アベノポリシーの危うさ(59)

総務省が28日発表した3月の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は30万889円で、物価変動を除いた実質で前年同月比5.3%減だった。
2月はうるう年の影響でプラスに転じたが、消費低迷が続いていることが浮き彫りになったといえよう。
支出の内訳ではシャツなどの「被服および履物」が12.2%減、自動車購入の落ち込みで「交通・通信」が12.1%減だった。
「教養娯楽」も4.5%減で、一般国民の暮らしは貧しくなっている。
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東京新聞4月29日

また、企業収益も減速感が一段と強まってきた。

日本経済新聞社が28日までに2016年3月期決算を発表した上場企業の業績を集計したところ、16年1~3月期の経常利益は前年同期に比べ20%減少した。減益は2四半期連続。新興国経済の不振や資源安が重荷で、16年3月期通期は4年ぶりの減益になる可能性も出てきた。今期は急な円高に見舞われており、業績の先行きは不透明だ。
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 決算発表の最初の集中日にあたる28日までに開示した244社を集計した。原子力発電所の再稼働が見通せない電力会社と金融は除いた。
 前期は約1%の経常減益だった。四半期でみると15年1~3月期の3割増をピークに伸びが鈍化。10~12月期に約10%の減益に転じ、16年1~3月期は減益幅がさらに拡大した。集計の対象社数はまだ全体の16%で、増減益率は今後変動する可能性がある。
 業績悪化の要因の一つは資源安だ。総合商社や石油元売りなどが計上する資源関連の資産価値の目減りによる損失(減損損失)は前期で3兆円を超え、08年の金融危機後で最大となる。三菱商事、三井物産の大手商社がそろって多額の損失を出し、JXホールディングス、住友金属鉱山でも損失が膨らむ。
企業収益、減速一段と 資源安で減損3兆円

「この道しかない」とした政策の帰結である。
異次元金融緩和は、効果がなかったことがはっきりした。
出口を間違えると深刻な副作用が生じるであろう。
かくなる上は、一刻も責任を取るべきである。

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2016年4月28日 (木)

金融緩和政策の末路/アベノポリシーの危うさ(58)

海外でのアベノミクス評価は厳しい論調が目立つようになっているという。

『ウォール・ストリート』(2016年2月10日)も「三本の柱の内、最初の金融政策は唯一、期待が持てるが、財政拡張は財務省の抵抗で失速し、構造改革は短期的には成果が期待できないものだ」と指摘し、もっと大胆な政策が必要だと説いています。『ワシントン・ポスト』(2016年3月5日)は「アベノミクスは今までのところ、たいした成果を上げていない」と書いています。通信社AP(2016年2月15日)も日本経済がマイナス成長になったのを受けて「大規模な金融緩和によるインフレを通して経済を再生するという安倍首相の野心的な戦略は約束されたような成果を上げていない」と厳しい見方を紹介しています。
 通信社ブルームバーグ(2015年9月10日)は、アベノミクスに好意的であったクルーグマン教授が「アベノミクスが失敗するリスクは高まっている」と、アベノミクスに対する懸念を表明したと報道しています。クルーグマン教授は2014年11月に安倍首相と会談し、消費税引き上げを延期するように語っています。同様にノーベル経済学賞経済学者ジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授も2016年3月16日に安倍首相と会談し、クルーグマン教授と同様に、消費税引き下げの延長の必要性を説いています。
4年目のアベノミクス 厳しい論調に転じた海外メデイア

にもかかわらず、安倍首相はアベノミクスを世界に広めると意気軒昂である。
正気の沙汰とは思えない。

安倍晋三総理は21日、先進7か国と欧州の経済界首脳が参加し開催された「B7東京サミット」であいさつし「日本のアベノミクスを世界のアベノミクスへと、経済政策を更に進化させることにより、G7議長としての重責を果たし、世界経済のかじ取りにしっかりとリーダーシップを発揮していきます」と強くアピールした。
アベノミクスを世界のアベノミクスへ 総理決意

世界に恥を撒き散らすことになりかねない。
28日の金融政策決定会合で追加緩和が見送られ、現状維持となった。

日銀は28日の金融政策決定会合で、追加金融緩和の見送りを賛成多数で決めた。マイナス金利と国債の大量購入を柱とする大規模な金融緩和を現状のまま維持する。一方、2017年度の物価上昇率の見通しは前年比1.8%から1.7%に下方修正。2%の物価上昇目標の達成時期を従来の「17年度前半ごろ」から「17年度中」へと約半年先送りした。目標達成時期の先送りは今年1月に続き4回目。13年4月の「異次元緩和」導入当初は「2年程度」とした目標達成時期は4年半程度かかることになり、18年4月に任期を迎える黒田東彦総裁の在任中の目標達成は瀬戸際に追い込まれた。
日銀決定会合で追加金融緩和見送り 現状維持に

自ら異次元という金融緩和政策で何がもたらされたのか?
経済政策の狙いは下図のように解説されている。

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アベノミクスは、すでに失敗している!?
「金融緩和⇒円安⇒輸出増⇒給与アップ」のはずが… 輸出減る!!
金融緩和⇒円安⇒輸出伸びる⇒国内の生産活発に⇒景気回復⇒給与アップ⇒景気回復の好循環
のはずが、輸出は延びず、給与アップは幻想になった!?
アベノミクスは、すでに失敗している!?「金融緩和⇒円安⇒輸出増⇒給与アップ」のはずが…輸出減る!

GDPも消費も増えず、インフレにもなっていない。
アベノミクスの基軸というか唯一の金融政策の限界は明らかである。
⇒2016年4月 5日 (火):金融政策だけではどうにもならない/アベノポリシーの危うさ(48)

 ブルームバーグが25日付で報じた試算(21日現在)は衝撃だ。日銀の2010年から5年以上に及ぶETF買い入れ額は時価ベースで累計8.6兆円に上り、日銀は日経平均採用225銘柄のうち約200社で、保有率上位10位に入る実質大株主になっているという。
 たとえばミツミ電機の実質保有率は約11%で筆頭株主、ファーストリテイリング(ユニクロ)は約9%で3位だ。現在のペースで日銀の買い入れが続いたら、17年末には京セラや日清製粉グループ本社でも日銀が事実上の筆頭株主になる見込みというから、今さらながら“異次元”の事態だ。
黒田バズーカ4あるか 日銀追加緩和で進む企業の“国有化”

国債は1,000兆円にもなる。
このまま日銀が国債を買い続けるとどうなるだろうか。
日銀券を大量に出し続けることになるが、いつまでもそんなことが続けられるわけもなく、いずれは売るという“出口”を探さなければならなくなる。
日銀が売らずに保有し続けると、浮動株が減って、株価操作がしやすくなるという“副作用”が生じる。
金融緩和政策は終焉を迎えざるを得ない。

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2016年4月27日 (水)

石黒耀『死都日本』/私撰アンソロジー(42)

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スクープを連発している「週刊文春」の3月17日号に、池澤夏樹氏の『3.11を読む』という書評が載っている。
小松左京『日本沈没』、石黒耀『死都日本』、北野慶『亡国記』である。
いずれも、地学的な変動が日本国を滅亡の淵に追い詰めるというストーリーである。
⇒2016年3月23日 (水):浜岡原発撤退の論理と倫理/技術論と文明論(42)

発行は『日本沈没』が1973年、『死都日本』が2002年、『亡国記』が2015年である。
日本沈没』と『死都日本』では、先見性のある政治家が危機を救うが、『亡国記』では安倍晋三首相をモデルにしていることが明らかであるが、危機におけるリーダーとしてまったく機能しないリーダー像である。

私は今回の「別府-島原地溝帯」と呼ばれる地域で起きている地震の第一報を聞いたとき、この作品のことが頭に浮かんだ。
霧島火山帯の古層の加久藤カルデラが30万年ぶりに噴火し、日本が壊滅の危機に瀕する……。
初版は2002年だが、東日本大震災が起きて、ストーリーの現実味が増した。

日本列島はプレートの押し合いで成り立っている。
押す圧力と岩盤の強度のバランスが崩れると断層になる。
大断層帯として中央構造線と中央地溝帯(フォッサマグナ)があるが、静岡県はそのシンボル的な地域である。
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富士川河口断層帯では中央地溝帯が露出している。
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東西を結ぶ要衝であり、地震が起きれば被害は甚大である。
浜岡原発は中央構造線と中央地溝帯に挟まれた地点にある。

偶然かも知れないが、太平洋の対岸のエクアドルでも大地震が起きた。
地下で何が起きているのか? 
気象庁はどう推移するか予測できないとしている。
「別府-島原地溝帯」という限定された範囲でも分からないののが現在の地球科学の水準である。
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地震連鎖と愚か者の無責任

「火の国」の由来となった阿蘇で巨大噴火が起きる可能性もゼロとは言えないだろう。
今回は内陸断層型地震で、南海トラフ地震との関連性は薄いとされているが、南海トラフ地震の発生確率は確実に高まっていると考えられる。
死都日本』は先見的な警告の書として読まれるべきであろう。

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2016年4月26日 (火)

衆院補選の結果と参院選の展望/アベノポリシーの危うさ(57)

与野党が夏の参院選の前哨戦と位置づけた衆議院補欠選挙は、24日投開票が行われた。
京都3区では、民進党元職の泉健太氏(41)=社民党推薦=が6回目の当選を果たした。
泉氏のほか、日本のこころを大切にする党、おおさか維新の会らが5人の候補者を擁立したが、自民党が逆風を考慮して候補者擁立を見送ったので、大差で泉氏の当選となった。

自民党新人の和田義明氏(44)=公明党、日本のこころを大切にする党推薦=と、民進、共産、社民、生活4党が推す無所属新人の池田真紀氏(43)の一騎打ちになった北海道5区は、和田氏が初当選した。
池田氏が敗れたことで、参院選の選挙協力を進める野党は戦術の練り直しを迫られそうだという見方が多いようである。
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日刊ゲンダイ4月26日

しかし、本来町村氏の厚い地盤を前提とすれば、和田氏が圧勝するはずの選挙区である。
しかも選挙期間中に発生した地震をも最大限に利用した政権を、脅かす戦いをしたのだから、むしろ良くやったというべきであろう。
有権者の関心も確実に変わってきた。

2012年に発足した安倍政権は「経済第一」を掲げ、選挙では常に「経済」「景気」「アベノミクス」を前面に出して戦ってきた。有権者もそれを争点だととらえ、安倍首相の「経済」「景気」に期待を寄せ、自民党を勝たせてきた。
しかし、北海道5区補選では、これまで安倍政権が仕掛けてきた争点と有権者の意識に、確実に「ズレ」が出てきたのである。民進党幹部が明かす。
「地元の北海道新聞が、投開票日前に世論調査をしたんですが、それによると、補選で重視する政策の1番目は『経済』ではなく『年金介護などの社会保障』が36%と断トツでトップになったのです」(民進党幹部)
安倍官邸を苛立たせる、補欠選挙の「ある調査結果」

安倍政権の詐術が明らかになりつつある。
政権と蜜月の電通の影響下にあるメディアでは。世論調査の改竄疑惑も指摘されている。
実態は以下のようだというのである。
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TV新聞の世論調査は<全部>嘘です!4倍に捏造

衆参同日選は無くなったと思われるが、参院選によりいっそう野党の協力を固めて、安倍政権の打倒に進むべきだと考える。
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2補選 北海道5区、自民勝利 参院選に弾み 京都3区は民進

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2016年4月25日 (月)

浜岡原発撤退の論理と倫理(6)/技術論と文明論(52)

大津地裁(山本善彦裁判長)は3月9日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止める判断を下した。
「安全性が確保されていることについて(関電側は)説明を尽くしていない」などが理由である。
⇒2016年3月10日 (木):高浜原発に停止命令/アベノポリシーの危うさ(33)

この決定について、安倍晋三首相は3月10日夕の記者会見で、「関電には、さらに安全性に関する説明を尽くしていくことを期待したい。政府としてもそのように指導していく」と述べた。
⇒2016年3月11日 (金):原発稼働の論理を考え直すべき/アベノポリシーの危うさ(34)
バカの一つ覚えのように、「世界で最も厳しいレベルの基準に適合とすると判断した原発のみ、地元理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の一貫した方針だ」と説明しているが、とんでもない誤謬だと言うべきであろう。

審査基準のサイトには「これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません」と明記されている。
つまり必要条件ではあるが十分条件ではないのである。
⇒2014年12月18日 (木):原g発は審査基準に適合すればOKか?/原発事故の真相(122)
⇒2015年12月25日 (金):高浜原発再稼働に慄然とする/技術論と文明論(38)

なおかつ審査基準は原子炉等の設計に関する基準であり、運転について定めたものではない。
原発を運転させるか否かは、技術的な判断であると同時に、というよりも本来的に社会的な判断の問題である。

高浜原発運転差し止めに関しは、関西地方の経済界のトップが中学生レベルの公民の知識も無いことを自ら暴露している。

関西経済連合の森詳介会長(関電会長)や角和夫副会長(阪急電鉄会長)らは17日に行われた記者会見で、関西電力の高浜原発3、4号機に対して大津地裁が運転差し止めの仮処分決定を行ったことを強く批判しました。気持ちは分かりますが、その内容は唖然とせざるを得ないものでした。
角副会長はこの場で「なぜ一地裁の裁判官によって、(原発を活用する)国のエネルギー政策に支障をきたすことが起こるのか」「こういうことができないよう、速やかな法改正をのぞむ」と発言。
三権分立は中学校の公民でも必ず習う近代国家に共通の普遍的な憲法上の基本原理です。例えば衆議院のHPの三権分立の説明は以下の通り。
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権分立

日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めています。
衆議院 三権分立より引用)

権力の分立の基本的要素の第一として挙げられるのが権力の区別分離であり、これは「各権力は原則として他権力に干渉したり自らの権力を放棄することは許されない」ことを指します。
つまり、国(行政)のエネルギー政策がどうあれ、司法はその方針から独立であり、独立していなければならないということ。角副会長はこのことを理解していないばかりか、積極的に三権分立を壊す法改正を望む発言をしています。日本を近代国家でなくそうとしていることを本人は気付いているのでしょうか?
関西経済会のトップが三権分立を理解できていないことが明らかに

今回の判決を受け、全国の原発立地県以外の裁判所で今後もこうした差し止めの仮処分決定が出る可能性が高くなった。
原発再稼働の訴訟リスクが上昇したということであり、コスト計算に加味すべき要素が増えたということである。
原発が本当に経済的な発電方法かどうか、立ち止まって考え直すいいチャンスではなかろうか。

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2016年4月24日 (日)

震災を利用するゲスな安倍政権/アベノポリシーの危うさ(56)

深刻さを増す熊本、大分の地震であるが、安倍政権の無神経な対応と露骨な政治利用が目立つ。

 熊本大地震の政府対応で、呆気にとられるような問題が浮上した。政府の代表として現地対策本部長を務めていた松本文明内閣府副大臣が、16日の本震の後に行われた県と政府のテレビ会議において、河野太郎防災大臣に被災者対応を差し置き、こんな申し出を行っていたというのだ。
「食べるものがない。これでは戦えない。近くの先生(国会議員)に差し入れをお願いして欲しい」
 当時、被災地では食料や物資が不足し、多くの被災した人びとが満足に食事を摂れていないことが問題化しており、おにぎり一個で1日を過ごす人もいるような状況だった。くわえて、新たに発生した大地震の打撃は大きく、迅速に物資不足解決の検討が求められていた。そんな差し迫った状況で、政府に被災地の惨状を訴えるでもなく「自分への差し入れ」を要望していたのである。
 しかも、西日本新聞の報道によると、松本副内閣相は配給がおにぎりのみだった際に「こんな食事じゃ戦はできない」と述べるなど、〈待遇の不満を何度も口に〉していたというのだ。
 さらに、地元の自治体職員に対しても、支援物資の配布について、こう怒鳴り散らしていたという。
「物資は十分持ってきているので足りているんだ。被災者に行き届かないのは、あんたらの責任だ。政府に文句は言うな」
松本文明副大臣が熊本の職員にも自分の食事が足りないと無理難題!「政府に文句言うな」暴言も…安倍“子飼い”議員の典型

松本文明はどのような素性の持主か?
松本氏は2012年の選挙では東京7区で敗れ、比例復活で当選した。
第二次安倍政権で総務大臣政務官に抜擢され、選挙でも安倍首相自ら応援演説を行うなど、安倍首相の“子飼い”である。
松本氏を一貫してバックアップしてきた。

安倍政権の初動が遅れたことは明らかだが、激甚災害指定も意図的に遅らせてきたのではないか?
熊本県は15日の段階で蒲島郁夫県知事が「激甚災害の早期指定」を求めていた。
安倍首相はそれを一週間以上無視したあげく、自分が現地視察をしたタイミングで、週明け25日(月曜日)に激甚災害指定を閣議決定することを表明した。
安倍首相が今日まで被災地視察と激甚災害指定を引っ張ってきたのは、北海道で接戦と伝えられる衆院補選をにらんでの作戦ではないか、と永田町やマスコミの間では見られているらしい。
安倍首相が劇的に被災地で激甚災害指定を表明することで、選挙の風向きを変えようという目論見だという。

次の写真を見れば、現地視察がパフォーマンスであることがバレバレである。
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被災者と握手する安倍首相=熊本地震


Facebookの投稿に以下のようなコメントがあった。

被災者の方が半ば強制的に握手を迫られ、嫌々握手をしている、そんな思いが安倍にも伝わっていることがよく分かる1枚! ナイスショット!

あくまでも上から目線。
周りの被災者の方々の目も、どこか白々しい…。

トップがゲスだと・・・。

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2016年4月23日 (土)

大本営発表以外報道するなというNHK会長/アベノポリシーの危うさ(55)

熊本、大分を震源とする地震は依然として治まらず、予断を許さない状況が続いている。
⇒2016年4月22日 (金):アースデーと熊本、大分地震の教訓/技術論と文明論(51)
⇒2016年4月17日 (日):熊本地震は予断を許さない/技術論と文明論(49)

そんな状況でも、川内原発は、多くの人の中止の願いを無視して運転を継続している。

大きな地震が続くなか、日本で唯一、稼働を続けている九州電力の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に対して、熊本県出身者1人がネット上で呼びかけた「川内原発を止めてください。」署名に対する賛同者が10万人を超え、2016年4月21日午前9時すぎ、安倍首相、林経済産業大臣、丸川原子力防災担当大臣に賛同者名簿が提出されました。この署名は高木さんが個人として「Change.org」で呼びかけたもので、2016年4月16日午前7時ごろに開始してからわずか4日間で、約10万人の署名が集まりました。この日は一次集約分として2016年4月20日午前11時までに集まった98,889人分を高木さんが半日がかりで印刷して綴り、東京の内閣府に持参しました。
「帰れない故郷にして欲しくない」 熊本出身者、原発停止求める10万人署名提出

地震と原発に関する情報は多くの人の関心事であろうし、多様な視点からの情報にアクセスしたいだろう。
それに応えるのがメディアの役割だと思う。
3160423
東京4月23日

折しも、国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)による2016年の「報道の自由度ランキング」で以下のように報道されたばかりであった。

日本は、対象の180カ国・地域のうち、前年より順位が11下がって72位だった。特定秘密保護法の施行から1年余りを経て、「多くのメディアが自主規制し、独立性を欠いている」と指摘した。世界的にも報道の自由は損なわれつつあるという。
報道の自由度、日本は72位 国際NGO「問題がある」

ところがNHKで、大本営発表以外は報道するな、という籾井勝人会長の指示が出たという。
籾井氏の指示は熊本地震発生を受けて開いた災害対策本部会議で出たものである。

「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えることを続けてほしい」と指示していたことが22日、関係者の話で分かった。識者は「事実なら、報道現場に萎縮効果をもたらす発言だ」と指摘している。
 会議は20日朝、NHK放送センター(東京都渋谷区)で開かれた。関係者によると、籾井会長は会議の最後に発言。「食料などは地元自治体に配分の力が伴わないなどの問題があったが、自衛隊が入ってきて届くようになってきているので、そうした状況も含めて物資の供給などをきめ細かく報じてもらいたい」とも述べた。出席した理事や局長らから異論は出なかったという。
 議事録は局内のネット回線を通じて共有され、NHK内には「会長の個人的見解を放送に反映させようとする指示だ」(ある幹部)と反発も聞かれる。
 砂川浩慶・立教大教授(メディア論)は「会長には強い人事権がある。発言が事実なら、萎縮効果をもたらす発言で問題だ。熊本地震で起きた交通網の遮断を前提に原発事故発生時の避難計画の妥当性を検証したり、自衛隊と地元自治体との連携について振り返ったりするといった独自取材ができなくなる恐れがある」と指摘する。
熊本地震 原発報道「公式発表で」…NHK会長が指示

「政府が右だというものを左だとは言えない」とした人だけのことはある。
安倍首相も、その辺りを評価(?)しての人事であろう。

原子力ムラの情報開示には、現時点でも問題がある。
⇒2016年4月16日 (土):地震と原発の情報に関する傾向と対策/原発事故の真相(140)
しかも安倍政権は、まったく無責任性を明らかにしている。
⇒2016年4月19日 (火):丸川大臣の(不)見識と「想定の限界」/技術論と文明論(50)
⇒2016年4月21日 (木):震災が炙り出す安倍政権の無責任性/アベノポリシーの危うさ(54)

大本営発表しか報道できないならば、報道の自由はどこまで落ちていくのだろうか。

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2016年4月22日 (金)

アースデーと熊本、大分地震の教訓/技術論と文明論(51)

今日4月22日は、「地球の日・アースデー」である。
1970年、学生 運動・市民運動が盛んだった頃、アメリカのG・ネルソン上院議員が宣言して誕生した。
当時全米学生自治会長をしていたデニス・ヘイズ氏が、・ネルソン上院議員の「環境のかかえる問題に対して人々に関心をもってもらう」という主張に賛同して全米へ呼びかけ、アメリカ史上最大のユニークで多彩なイベントとなった。
今年は、23日、24日を中心に各地でイベントが予定されている。
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アースデイ東京2016 開催情報

折しも、熊本、大分では地震が収まる気配を見せていない。
日本列島がプレートの押し合いで成り立っていることはよく知られている。
わが静岡県はそのシンボルのような場所だ。
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内陸活断層や南海地震はリスクとしないのはなぜ?

日本列島を代表する2つの断層帯をリニア新幹線が横断する。
素人が考えても危険のように思う。
地溝帯を溝を境に、引っ張り合う力が岩板(プレート)にかかる。
その結果、この地域にある活断層が「横ずれ」と呼ばれる動きを見せるのが、別府-島原地溝帯で起きている地震だ。
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2016/04/16  地震連鎖と愚か者の無責任

今回の地震で不気味なのは、今までの通説・経験則にない特徴を持っていることだ。
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東京新聞4月18日

自然(地球)に対して謙虚に向かい合う日としたい。

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2016年4月21日 (木)

震災が炙り出す安倍政権の無責任性/アベノポリシーの危うさ(54)

熊本、大分地方で起きている地震は、通説・経験則といわれているものおよびそれに基づく想定の危うさを浮き彫りにした。
地震そのものは天災であるが、地震関連死と言われるものには、救えたものも多いのではないか。
地震が起きた翌日、政府は屋内避難を指示したが、その後の「本震」により屋内で受難した人が少なくない。
地震が発生したら屋外避難が常識だと言われるが、明らかに判断ミスであろう。
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日刊ゲンダイ4月21日

現に 熊本県の蒲島郁夫知事はこの指示に対して、「現場の気持ちが分かっていない」と反発したと伝えられている。
現場を知らずして中央で指示を出す危うさである。

揺れの頻度は史上最多のペースである。繰り返される揺れによる被害も大きい。
現在の耐震基準は、連続した地震を想定していないという解説もあった。
自然史的過程は1回性なので、帰納的な経験則に限界があるのは当然である。
自然現象には、われわれが「無知」のことも多いのは、竹田茂夫氏が東京新聞の「本音のコラム」欄で言う通りであろう。
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国内で唯一運転中の川内原発は、熊本県益城町から約100km余離れている。
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「週刊文春」4月28日号

川内原発は、現時点では基準地震動以下の揺れで、運転が継続している。
TVで正常に運
転していることを報じているが、正常であることがニュースになるのは本末転倒であろう。原子力規制委は予防的な停止は政治判断とするが、丸川珠代原子力防災担当相は「規制委は停止の必要はないと言っている」と他人事である。
⇒2016年4月19日 (火):丸川大臣の(不)見識と「想定の限界」/技術論と文明論(50)

責任が循環する典型的な無責任の構造である。
川内原発では基準内ではあっても、益城町では基準の約2.5倍の震動を記録しているのである。
幸いにして回送中であったが、九州新幹線が脱線した。
新幹線を利用する避難計画も当然見直しが必要になる。災害時にこそ政治のリーダーシップが求められよう。

東日本大震災時の長谷川櫂氏の歌集『震災歌集』中央公論新社(2011年4月)の表現を借りよう。

かかるときかかる首相をいただきてかかる目に遭ふ日本の不幸

首相のままでも、大臣でも政権でもいいようだ。
⇒2011年7月 3日 (日):長谷川櫂『震災歌集』/私撰アンソロジー(3)

菅元首相は、浜岡原発を停止させたし、東電にも乗り込むなど体を張ったと評価することもできるが、現政権は・・・。

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2016年4月20日 (水)

「セブン&アイ」の企業統治/ブランド・企業論(50)

セブン&アイ・ホールディングスは19日、取締役会を開き、中核子会社であるセブン―イレブン・ジャパンの社長を務める井阪隆一取締役(58)が社長に昇格する人事案を決議した。
長年グループを率いてきた鈴木敏文会長兼最高経営責任者(83)は退任するが、今後の鈴木氏の処遇については未定である。
背景には余人の知る由もない理由があるのかも知れないが、直接の原因は、井阪隆一社長兼COO(最高執行責任者、58歳)に対し、退任を求めた鈴木氏の提案が、7日の取締役会で、否決されたことにある。
カリスマ的な存在である鈴木会長の人事提案が取締役会で否決されるなど、従来ならば考えられなかったことだという。

鈴木会長は井阪社長を交代させようとした理由を「彼が作り出したものは何もない」(7日の記者会見)などと語っているが、井阪氏を社長にしたのは鈴木氏であったから、自分の眼力が無かったということではないのか。
鈴木氏が、セブン-イレブンを育ててきたのは間違いないだろうが、公器のリーダーとしては問題なしとは言えまい。

鈴木会長が辞任表明した日の4月7日はセブン&アイの2016年2月期決算発表日でもあった。
営業利益は前期比2.6%増の3523億円と5期連続で最高益を更新した。
井阪社長率いるセブン‐イレブン・ジャパンは2350億円(前期比5.2%増)の営業利益を上げており、セブン&アイの稼ぎ頭であった。
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グループ社の業績の中でも、ダントツである。
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セブン&アイ鈴木会長、突然の退任に波紋 - セブンは強さを維持できるか

セブン&アイには指名報酬委員会という組織があり、人事案について事前に議論したものの反対論が出て委員会としての結論は出なかった。
セブン&アイの委員会は、同社の鈴木会長と村田社長、それに2人の社外取締役の合計4人がメンバーとなっているが、その2人の社外取締役は井阪氏のセブン‐イレブン・ジャパン社長交代案に反対したという。
にもかかわらず鈴木会長が人事案を取締役会に提案したということは、何のための指名報酬委員会が問われよう。
いかにカリスマ的といわれようと、遵法的でなければならないのは当然である。

「週刊新潮」4月21日号は、背景に伊藤家(イトーヨーカ堂創業)と鈴木家の軋轢があったと書いている。
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どこまで事実か分からないが、神様にも血族がいて、世襲への執着が断てなかったと言うことのようである。
コンビニ三国志(セブン、ローソン、ファミマ)の新時代に入っていくのだろう。

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2016年4月19日 (火)

丸川大臣の(不)見識と「想定の限界」/技術論と文明論(50)

熊本を中心とする地震はいっこうに治まる気配がない。
またしても「想定」の限界を示すものとなりそうである。
本震と考えられた揺れが前震だったが、まだ確定したわけではない。
「平成二八年熊本地震」という名称も変更される可能性がある。
「想定外」は、東日本大震災で免罪符のように使われたが、そもそも自然史的な事象に対して安易に経験則を当てはめることに問題がある。

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160419_2 東京新聞4月19日

回数も最多のペースで発生しており、範囲も広域で、気象庁が近代観測史上経験したことがないとするほどである。
日本列島を大きく分ける大断層帯として、中央構造線と中央地溝帯(フォッサマグナ)がある。
今回の地震は、中央構造線の西端の別府-島原地溝帯と呼ばれる地域で起きている。
昨年11月の薩摩半島沖地震も延長線上であって、当然関連性を疑うべきであろう。
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160419_3 同上

今回の震源域の北側には九州電力玄海原発があり、中央構造線に沿って少し東側には四国電力伊方原発がある。
中部電力浜岡原発は中央地溝帯の近傍の南海トラフ地震の想定震源域である。

私は第一報を聞いたとき、石黒耀『死都日本』を連想した。
⇒2016年4月15日 (金):熊本の地震と『死都日本』のメッセージ/技術論と文明論(48)
今回も現時点では地震との関連性は不明とされるが、阿蘇山の噴火が重なった。

今回も現時点では地震との関連性は不明とされるが、阿蘇山の噴火が重なった。
丸川珠代・原子力防災担当相は4月16日、熊本地震の非常災害対策本部会議で、稼働中の九州電力川内原子力発電所について「現在のところ、原子力規制委員会は停止させる必要はないと判断している」と報告した。
観測された地震動が、自動停止させる基準値を下回っていることが理由である。

丸川氏はこの日の会議で、「今回の地震で川内原発において観測された地震動は最大で12.6ガルとなっている」とコメント。さらに、「同発電所は新規制基準への適合性審査で620ガルの地震動を受けたとしても、安全上重要な機能は確保されることを確認している」と述べた。
丸川珠代担当相、川内原発「停止させる必要ない」 なぜ?【熊本地震】

しかし、14日夜の揺れは、熊本県内で1580ガルを記録している。
たまたま川内原発では基準内だったに過ぎないのではないか。
丸川大臣は、2月7日の長野県の講演で、「東京電力福島第1原発事故後に、国が除染に関する長期努力目標として「年間1ミリシーベルト」と定めていることに関し「何の科学的根拠もない」「反・放射能の人がワーワー騒いだ」と発言した。
⇒2016年2月13日 (土):丸川珠代環境相の不適切発言/アベノポリシーの危うさ(18)
⇒2016年2月28日 (日):丸川環境相の発言にみる安倍政権のホンネ/アベノポリシーの危うさ(28)

何でこの人が担当大臣なのか?
理解に苦しむ国民を馬鹿にした人事である。

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2016年4月18日 (月)

アホガミ元航空幕僚長逮捕と安倍政権/アベノポリシーの危うさ(53)

田母神俊雄元航空幕僚長が、公職選挙法違反容疑で逮捕された。

Ws000002 2014年2月の東京都知事選を巡る選挙運動員の買収事件で、東京地検特捜部に公職選挙法違反(運動員買収)容疑で逮捕された元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄容疑者(67)が選挙後、陣営幹部に対し、「お世話になった人に謝礼を配りたい」と自ら提案していたことが関係者の話でわかった。
 田母神容疑者は自身の関与を一貫して否定しているが、運動員への報酬支払いは、田母神容疑者の了承の下で行われた疑いがあり、特捜部が解明を進めている。
 特捜部は14日、田母神容疑者と、選対事務局長だった島本順光(のぶてる)容疑者(69)の2人を逮捕するとともに、東京都世田谷区の田母神容疑者の自宅や、千代田区の事務所を捜索した。
田母神容疑者が「謝礼」提案…知事選後、幹部に

この人は、世の中を騒がせるのが好きなのであろう。
マンガのようなM資金話の片棒を担いだことがある。
軍事評論家の田岡俊次氏が、「新潮45」の2008年12月号に掲載されている「『お騒がせ幕僚長』とM資金女詐欺師」という記事を読み、「まさか」と思いつつウラをとってみたら、事実だったことが確認された、と書いていた。
田岡氏が、「まさか」と思ったのは、次のようなことである。
①田母神氏が統合幕僚学校長時代に、M資金話を持ち込んだ女性に講演をさせている
②その女性を、防衛省出入りの防衛産業社長に紹介し、M資金話の仲介をした
⇒2009年1月10日 (土):田母神第29代航空幕僚長とM資金問題

私が知っているM資金話は、もっと巧妙だし、持ち込んだ人間を先ずは疑ってかかるので、田母神氏の行動は理解できない。
アホガミと言われるゆえんであろう。
アホガミ氏は、アパグループ主催の第1回『「真の近現代史観」懸賞論文』で、最優秀藤誠志賞を受賞したことが原因で航空幕僚長の職を辞した。
何とも胡散臭い「論文」で、満州事変の前史である張作霖爆殺について、コミンテルンの仕業という説を書いたものだが、何とも稚拙な文章だった記憶がある。
⇒2012年11月13日 (火):田母神見解と陰謀史観/満州「国」論(10)

安倍晋三首相の盟友(だった?)といえよう。
安倍晋三論』ワニブックス(2013年8月)という著書がある。
問われている2014年2月の都知事選で、自民党は舛添要一氏を推薦した。
2010年4月、『自民党の歴史的使命は終わった』と言って自民党を離党(自民党は、新党結党首謀者として除名)した経緯を踏まえると、日和見主義とか機会主義という言葉そのものである。
⇒2014年2月11日 (火):都知事選の結果と暗い予感/花づな列島復興のためのメモ(306)

安倍首相は、思想というか考え方が近い田母神氏を応援したかったのではなかろうか。
その代役を務めたのが、オトモダチの百田尚樹氏である。
⇒2014年12月29日 (月):百田尚樹の正体?/人間の理解(8)
百田氏は他候補を人間のクズと批判したが、その言葉は、安倍-田母神-百田にこそ当てはまる。
安倍政権は、九州の地震やパナマ文書対策でアタフタしているであろうが、凋落を示すもの以外の何物でもあるまい。

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2016年4月17日 (日)

熊本地震は予断を許さない/技術論と文明論(49)

熊本地震は、14日の地震よりも16日の未明にさらに大きな地震が起きたことで災害の様相が大きく変わった。
被害は山間部も含め広範囲に及び、強い揺れが相次いだが、果たしてこれが「本震」かどうかも予断を許さない。
東隣の大分県でも地震が活発化している。
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連続する地震 東の活断層や南海トラフへの影響は

気象庁は、熊本県阿蘇や大分県でも別々に規模の大きな地震が発生する「今までの経験則から外れている地震」との見解を示した。
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気象庁「経験則から外れた地震」 3カ所で別々に発生

一体何が起きているのか。
私は熊本(九州)の地震の第一報を聞いたとき、とっさに石黒耀『死都日本』講談社(2002年9月)のことを頭に浮かべた。
⇒2016年4月15日 (金):熊本の地震と『死都日本』のメッセージ/技術論と文明論(48)
現時点では16日未明のM7.3 の地震が本震とされているが、専門家筋も、今後の予測はできないとしているようである。

現時点では、中央構造線の西端付近の断層帯の被害が大きい。
少し東に移動すれば、伊方原発がある。Photo_2
あ!中央構造線で地震だ。伊方原発って、なんで中央構造線の上に建っているのですか?

重ねて言うが、中央構造線やフォッサマグナの付近に立地する原発は速やかに廃炉の方向で考えるべきだろう。
次のような専門家の指摘を考える時、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを開催できるのか?

 今回の熊本の地震は、ステージ3の南海トラフ地震の「前奏曲的」な意味合いが強いと考えられる。筆者は2020年東京オリンピックまでに、南海トラフ地震の発生が懸念される状況にあると考えている。筆者の推計では南海トラフ地震の津波被害者は、47~50万人である。熊本地震を単体のものとしてとらえず、日本全体の「危機の前兆」と認識し、対策を講ずる必要があるのだ。
「熊本地震は南海トラフ地震の前兆かもしれない」専門家が警告

最悪の事態かも知れないが、可能性を否定できる状況ではない、というか十分な注意をもって見守るべき事態と言えよう。
ところが、丸川珠代環境相は、ノーテンキに「川内原発停止させる必要ない」と発言してひんしゅくを買っている。
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Ws000001
【即刻辞任せよ!】丸川大臣「川内原発停止させる必要ない」発言に国民怒り爆発!

「年間1ミリシーベルト以下は何の根拠もない」と失言し、撤回せざるを得なくなった人だが、「ふさわしくない」にもろ手を挙げたい。

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2016年4月16日 (土)

地震と原発の情報に関する傾向と対策/原発事故の真相(140)

熊本地震が続いている。
16日01時25分マグニチュード7.1、熊本県で最大震度6強で、被害もかなり出ている。
さらに大雨の予報も出ており、現場は救急救命に必死だろう。
そんなところに首相が出かけるのはパフォーマンスにならないばかりか、迷惑になる。

安倍晋三首相は15日午後に首相官邸で開いた地震非常災害対策本部会議で、「明日、私自身が被災地を訪問し、現場を自らの目で確かめて被災された方々の生活、生の声に接し、今後の対策に十分生かしていきたい」と述べ、16日に熊本地震の被災地を視察する考えを明らかにした。
安倍首相、熊本の被災地を16日に視察

被害拡大の報を受けて、さすがに現地に行くのは中止したが、東日本大震災発生時、菅首相(当時)が地震発生の翌日、急遽(!)、被災現場の中の福島第1原発を1時間近く視察したのを思い出す。
そして、午後の与野党党首会談で原発に関し「危機的な状況にはならない」と強調したが、
爆発が起きたのは会談の最中だった。
⇒2011年3月14日 (月):現認する情報と俯瞰する情報

安倍首相は、「自分が最高責任者」という言葉がお好きなようだが、であれば俯瞰的に事態を捉えることが重要で、現地に行けばいいというものではない。
原子力規制庁が、今回の地震で原発に異常がないことなどを一般向けにホームページなどで情報発信したのは、地震発生翌日の15日午前になってからだったが、規制庁は原発周辺で地震が起きた際の原発の安全に関する情報発信の在り方を見直す方針を明らかにした。
安倍首相は、パフォーマンスを考えるよりも、地震が起こる度に、「〇〇原発に異常はありません」などとテレビで報道しなければならないような原発をいかに廃棄して行くかを検討すべきではないか。

今年になってから東京電力が、福島第一原発事故当時の社内マニュアルに、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)を判定する基準が明記されていたが、その存在に(誰も!)5年間気付かなかったと発表した。
⇒2016年2月25日 (木):背信の東京電力メルトダウン評価/原発事故の真相(137)

隠蔽していたのではないかと疑われても仕方がないだろう。
と思っていたら、事故発生直後に、炉心露出を予測していたが、それを政府にも県にも報告していなかったという。

東京電力福島第一原発事故が起きた二〇一一年三月十一日、東電が地震発生から約二時間半後に、原子炉水位が下がっていた1号機の核燃料が約一時間後にむき出しになると予測しながら、法律で義務付けられた報告を政府や福島県にしていなかったことが分かった。炉心を水で冷やせずメルトダウン(炉心溶融)に至れば、大量の放射性物質の流出につながる。原発事故から五年余りがたつが、検証が必要な事故対応が依然、残されていることが裏付けられた。
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福島事故 地震2時間半後に「炉心、1時間後に露出」 東電、予測を国・県に報告せず

原子力ムラの不遜さを示す一例でもある。
⇒2016年3月28日 (月):原子力ムラ、不遜なり!/原発事故の真相(139)

東電は報告しなかった理由は「分からない」とした上で、直前に『非常用炉心冷却装置が注水不能』と報告していると説明している。
その辺の事情を含め、まだまだ検証すべきことは多いのだ。
再稼働すべきかどうかを考えるのはそれからであろう。

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2016年4月15日 (金)

熊本の地震と『死都日本』のメッセージ/技術論と文明論(48)

昨夜、TVとiPadの緊急地震速報が、同時に鳴り響いた。
しばらくして、熊本地方の地震であることが分かった。

 14日午後9時26分ごろ、熊本県を中心に強い地震が発生し、同県益城町(ましきまち)で震度7を観測した。熊本市や玉名市などで震度6弱、菊池市などで震度5強を観測。福岡、大分、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島、山口の各県でも震度4を観測するなど広い範囲で強い揺れに見舞われ、最大で震度6強の余震も続いた。国内で震度7が観測されたのは、2011年3月の東日本大震災以来で、4回目。九州地方での震度7は1923年の観測開始以来初めて。
東日本大震災以来 2人死亡、100人けが

被害の全容はまだ分からないが、私は先日読んだ石黒耀『死都日本』が頭を過ぎった。
⇒2016年3月23日 (水):浜岡原発撤退の論理と倫理/技術論と文明論(42)
同書は、霧島火山の下に眠る加久藤カルデラが30万年ぶりに巨大噴火(破局的噴火)し、南九州は火砕流に飲み込まれて壊滅する、というストーリーである。
冒頭に参考地図が掲げられている。
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今回の震源地である益城町は、白山火山帯と霧島火山帯が重なった付近であると思われる。
わが国の代表的な活断層は、列島を縦断する中央構造線と、日本の中央部を横断する糸魚川~静岡構造線(糸静線)である。
益城町は中央構造線の西端付近であるが、中央構造線は水銀・朱の産地と関連していると言われる。
Kouzou

丹生都比売伝承

福島第一原発事故を半年前に予言した書『原子炉時限爆弾』ダイヤモンド社(2010年8月)を書いたノンフィクション作家の広瀬隆氏は、ダイヤモンドオンライン2015年7月17日号の『再稼働で揺れる川内原発の地震対策は、まったくなっていない!』で次のように書いている。

 同じように、中央構造線もそろそろ動くだろうと見られている。川内原発は不幸にして、その日本最大の活断層の上に建っているのだから、そもそもこんな場所にあることが間違いなのだ。
 中央構造線が動けば、マグニチュード8という内陸型地震として最大の揺れに襲われる。しかも、大地震が原発の直下で起こるのだから、東日本大震災で、至るところが破壊された福島第一原発とは比較にならない巨大な揺れに襲われるのである。
 原子力発電所の敷地そのものがはね上がるので、耐震性も何もない。原発ごと吹き飛ぶ大惨事となる。
 加えて現在は、それを予告するかのように、地球の動きが止まらない。
 誰もがご存知の通り、九州全体の火山の噴火が日本一、という活発な状態を続けているのだ。
 すなわち、2009年にはじまった鹿児島県の桜島の大噴火は、2010年以後、1000回を超える噴火を4年間も記録し続け、昨年だけ爆発的噴火が450回へと半減したが、安心できるどころか、逆に、噴煙の高さが3000メートルを超える噴火が16回を数え、爆発の規模はむしろ拡大傾向にあるのだ。
 2011年1月26日には、桜島の北にある霧島山の新燃岳《しんもえだけ》で大噴火が起こった(その直後に東日本大震災が起こったのである)。
 2014年11月25日には阿蘇山噴火が起こって噴煙が1500メートルに達したかと思うと、2015年5月29日には、前年に噴火がはじまった鹿児島県の口永良部島《くちのえらぶじま》で大噴火が起こり、噴煙が9000メートルに達した。つい先日のことだ。Photo

地震で九州新幹線の回送列車が熊本市内で脱線した。
けが人は無かったが、川内原発は運転を継続するという。
3.11の時、震度4の余震で震源から200km離れている青森の東通原発は冷却機能を喪失したのである。
その教訓も広瀬氏の警告も『死都日本』のメッセージも、九州電力と政権の耳には、念仏のように聞こえるのであろうか。

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2016年4月14日 (木)

パナマ文書漏出が示す断末魔の資本主義/世界史の動向(44)

日銀がマイナス金利まで踏み切ったが、依然として政策の意図は達せられていない。
水野和夫さんは、『資本主義の終焉と歴史の危機』集英社新書(2014年3月)で、「現在、世界的に歴史上でも有数の低金利時代であるが、それは資本を投下しても利潤の出ない資本主義の「死」を意味する。資本主義にそれでもしがみつき、かりそめの「成長」を目指すことは、「国民なき国家」を作り上げ、破局への道を整えているにすぎない。」という趣旨のことを書いていた。
⇒2015年1月 3日 (土):福島第一原発事故と新しい文明/技術論と文明論(12)

その意味では、マイナス金利政策は、資本主義の「死」を追認するものであり、なおかつ安倍首相がアベノミクスの第2ステージと称し、「新3本の矢」の第一に、「希望を生み出す強い経済」としてGDP600兆円を掲げるのは、矛盾しているし、滑稽でもある。
そして、リーマンショック級のことが起こらない限り、消費税の再延長はないと言っている。
リーマンショック級というのは、はなはだ曖昧な表現であるが考えようによっては常態がリーマンショック級であるとも言えるのではないか。

パナマ文書の漏出問題がこれからどう展開して行くことになるのか、現時点では不明であるが、おそらく超弩級の激震となると思われる。

 その40年間の顧客約1万4千人の1千万件超の文書が流出したモサックは、ペーパーカンパニー設立に特化した、パナマでも珍しい法律事務所。現地の法曹界からは「海外の銀行などに頼まれ合法的に設立しただけ。非難されることをしたとは思えない」と擁護の声も漏れる。キャメロン英首相の亡父、ロシアのプーチン大統領の友人、中国の習近平国家主席の親族など文書が暴露した「顧客」とは「会ったこともなく、会社設立の意図もあずかり知らないだろう」。
 在ニューヨークのある弁護士は「ペーパーカンパニーの設立はタックスヘイブンの専門の法律事務所に頼み、会社の住所もその事務所にするのが通例」と明かす。電話や電子メールでやり取りし、あとは書類上で手続きするだけで「会社としての実態はない」という。
 そのためかパナマ市中心部の金融街やホテルのバーなどで、節税を頼んだ顧客本人はおろか、欧米の銀行などタックスヘイブンに群がる人たちの姿を見つけることは難しい。パナマ市民には「雲の上の話」(40代男性)、「庶民には関係ない」(20代男性)と今回の騒動に冷めた空気が広がる。
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パナマ文書「震源地」に捜査の手 現地ルポ

世の中には絶対と言うことはあり得ないのだ、と改めて思う。

■資金洗浄防止 国際協調が必要
 ICIJがこれまでに公開した情報にざっと目を通すと、一部の政治家の取り巻きや親族がいかに資産を増やしたかがわかり、衝撃的だ。アゼルバイジャンのアリエフ大統領の娘たちはひそかに複数の金鉱を支配しているようだし、南アフリカのズマ大統領のおいは、南アが1000人以上の平和維持部隊を送り込んだコンゴ民主共和国の石油契約でうまいことやった。
 一般市民は激怒している。ズマ大統領は私邸を建設するのに公金を流用し、返済を拒んだとの申し立てをめぐり4月第2週、弾劾手続きにかけられた。
 アイスランドでは、グンロイグソン首相が辞任に追い込まれた。破綻した同国の銀行に、同首相の妻がオフショア企業を通じて投資していたことが明るみに出て、怒り狂った国民の抗議に抗しきれなかったのだ。
 腐敗は世界を貧しくし、格差を広げる。政治家が公金を流用すれば、道路や学校の建設や補修に使われるお金は減る。親しい友人が有利な条件で契約できるようにすることは納税者をだまし、企業に自国への投資を思いとどまらせることを意味する。これらすべてが経済成長を阻害する。
パナマ文書が示す教訓

断末魔の様相に見えなくもない。

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2016年4月13日 (水)

パナマ文書と日本政府と消費税/アベノポリシーの危うさ(52)

「パナマ文書」が全世界を震撼させている。
まだ一端だけしか報じられていず、予震と言うべきだろうが、すでにアイスランドの首相は辞任し、欧州や米国司法省、そしてシンガポールまでもが徹底的に調査し、厳正に対処する姿勢を示している。
一方、日本の菅官房長官は「日本政府としては調査しない」ことを明言した。
安倍政権の姿勢が明瞭に出ている。

パナマはパナマ運河で有名であるが、租税回避のためのオフショア金融センターの1つでもある。

少し乱暴に言えば、オフショアとは国家として非居住者の節税を助ける地域で、多くは産業がない小国に「ペーパー・カンパニー」を設立し、合法的スキームを組み上げ、顧客の税金の支払いを軽減する機能を持っています。
このスキームを作っていた大手のひとつが、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」です。
このスキームを作っていた大手のひとつが、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」です。
なにしろ、「ペーパー・カンパニー」と呼ばれるくらいですので、その書類を作る人たちがスキームのキーマンとなります。ちなみに「モサック・フォンセカ」は、国際的にオフショアを利用する金融関係者なら誰でも知る有名な法律事務所で、「あのモサック・フォンセカ」から情報が漏洩してしまったことが、本件を重大にしているのです。
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世界が阿鼻叫喚。「パナマ文書の震源地」にいた日本人が語る現場の様子

「モサック・フォンセカ」から漏出した文書は大量だ。

匿名の告発者から南ドイツ新聞に届けられた文書は、全部で1,150万件、電子データにして2.6テラバイトにのぼる。1977年から2015年末までの40年近くにわたり、モサックの本社及び全世界に35以上もある事務所と20万人/社に及ぶ顧客との間で交わされた480万通の電子メール、100件の画像、210件のPDF文書が含まれていた。2010年にスノーデンが米外交文書などを持ち出してウィキリークスで暴露した時に世界はその膨大さに驚いたのだったが、その量は1.7ギガバイトで、今回の文書はその1,500倍ほどもある。
揺らぐ資本主義。「パナマ文書」で流出した大物政治家の実名リスト

もちろん租税回避していた企業や人に、日本関係もある。
現時点では必ずしも違法行為とは言えないであろうが、一般国民は利用など考えつきもしないだろう。
日本企業等が回避した税額は、パナマだけで1年で55兆円とも61兆円とも推定されている。
企業名も一部明らかにされているが、安倍政権による法人税率軽減や円安によって恩恵を受けている企業が多い。
これを捕捉できれば、消費税アップも、介護や保育の問題も解消できそうである。

ハーバード大学の白熱教室として、サンデル教授の『正義とはなにか?』を考える講義が話題になったことがある。
翻訳書『これからの「正義」の話をしよう』早川書房(2010年/5月)も売れたはずだ。
税の公平性は、「正義」という意味でも大きなテーマだろう。
公平性が担保されなければ、納税意欲も減退するというものだ。
愛国心が売り物の1つのはずの安倍政権が、政府としも「積極的に調査する」と明言すればと思うが、世界の潮流の真逆をいくからなあ。

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2016年4月12日 (火)

G7が「広島宣言」を採択/世界史の動向(43)

広島市で開かれていたG7=主要7か国の外相会合は11日午後閉幕し、G7として初めてとなる、核軍縮・不拡散の分野に特化した成果文書「広島宣言」を発表した。
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東京新聞4月12日

原爆投下が「極めて甚大な壊滅と非人間的な苦難という結末」を引き起こしたと記して、核軍縮の必要性を強調したが、「非人道性」という言葉は入らなかった。
核廃絶への道のりは遠いが、岸田文雄外相の「核兵器は二度と使われてはならないという広島、長崎の強い思いを共有する内容も盛り込んだ」という言葉に期待しよう。
先ずは第一歩である。

特に、米国の外交、安全保障政策を担当するケリー国務長官が加わって、原爆投下の悲劇を明言したことの意味は大きい。
オバマ米大統領は2009年4月のプラハ演説で「核なき世界」を提唱し、ノーベル平和賞を受賞した。
しかし核軍縮が期待通り進んだかと言えば、残念ながらノーとせざるを得ない。

宣言は「政治指導者やその他の訪問者が広島および長崎を訪れ、深く心を揺さぶられてきた」として、各国の首脳に被爆地訪問を呼び掛けた。
ケリー国務長官らは、原爆資料館を視察して、原爆慰霊碑に献花し、原爆ドームも視察した。
ケリー氏はその後ツイッターに「原爆資料館と平和記念公園を訪れた最初の米国務長官となったことを光栄に思う」と書き込んだという。

オバマ大統領の任期中の被爆地訪問を、側近が検討し始めたとワシントン・ポスト(電子版)が報じた。
70年以上経ってしまったが、実際に原爆投下の跡を体験するのとしないのではずいぶん違うはずである。
是非実現して欲しい。

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2016年4月11日 (月)

浜岡原発撤退の論理と倫理(5)/技術論と文明論(47)

福島第一原発の事故については、「政府」「国会」「民間」「東電」等々の事故調査委員会が組織され、それぞれ報告書が発表された。
⇒2012年7月25日 (水):政府事故調の報告書/原発事故の真相(41)

しかし事故の真因は未解明である。
炉心溶融が短時間で起きていたことが最近になって公表された。
⇒2016年2月25日 (木):背信の東京電力メルトダウン評価/原発事故の真相(137)

隠ぺいなのかあるいは当事者意識の欠如なのか。
どちらにせよ、原発の運転資格はないだろう。

福島の事故を受けて、原子炉等の設計審査基準が見直された。
新規制基準について
政府はこの新審査基準を錦の御旗として、「合格したら速やかに再稼働」という短絡した判断である。
しかしそれは論理の誤りというものである。
まず第一に、適合性審査は必要条件であって、十分条件ではない。
⇒2014年12月18日 (木):原発は審査基準に適合すればOKか?/原発事故の真相(122)⇒2015年8月14日 (金):原発再稼働とメディアの姿勢/原発事故の真相(133)

第二に、審査基準は原子炉の設計等の関するものであって、運転について定めたものではない。
しかも原子力規制委員会自身が「これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません」と明記しているのである。
原発を運転させるか否かは技術的な問題ではなく、社会的な問題である。

いま浜岡原発の電力に頼るべきか否か。
浜岡原発の防波堤は典型的なカミソリ堤のように見える。
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<不安>浜岡原発ご自慢の防潮堤はペラペラの塩分に弱い鋼鉄製

南海トラフ地震が発生すれば、静岡県は無論、首都圏も含めて壊滅的被害が発生するであろう。
もう決して想定外とは言えないのだ。

全原発が停止している間、電力不足は発生しなかった。
既に世界の風力発電は、原発よりも発電量が多い。

 世界の風力発電の発電能力が二〇一五年末に一四年末比17%増の四億三千二百四十二万キロワットに達し、初めて原子力の発電能力を上回ったことが、業界団体の「世界風力エネルギー会議」(GWEC、本部ベルギー)などの統計データで二十日、明らかになった。
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世界の発電能力、風力が原発抜く

もちろん安定出力など課題は残っている。
しかし再生可能エネルギー開発と節電の進展は必然的なトレンドである。
広域的な供給調整を行えば、危険な浜岡原発に頼らないで済むはずではなかろうか。

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2016年4月10日 (日)

TPPで何が決まったのか?/アベノポリシーの危うさ(51)

TPP(=環太平洋経済連携協定)の承認案をめぐる国会審議は、自民党政権の余りのいい加減さを見せつけるものとなっている。
全面墨塗りの記録など、バカにしていると思う。
⇒2016年4月 8日 (金):秘密のヴェールに包まれたTPPと甘利前大臣/アベノポリシーの危うさ(50)

ことに衆議院TPP特別委員会・西川公也委員長は、関連自著を出版準備中だったという。

 「『TPPの真実』といわれるこの本のゲラとされるものでありますが」-民進党の緒方林太郎議員が手にしているのは、西川委員長が出版を予定していた著書の原稿。政府が守秘義務に関わるとしている交渉の経緯が書かれていると指摘した上で、西川委員長に対し、自らが書いたものなのかただした。
 西川委員長「委員長は答弁する立場ではありません」
 民進党は、こうした答弁が不誠実だとして委員会室を退席。この後、マイクが西川委員長のある会話を拾っていた。
 西川委員長「あれは全部文書からはね、今の新しいやつは消えてるんですよ。自分できれいに整理をしたやつじゃなくて、一番古いのが出てるんですよ。書き殴ったやつが。だけど認めないんでしょ。深掘りしてくるから」
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西川氏、マイク気づかず“漏れた会話”とは

西川氏自身が、原稿であることを認めているのである。
もっとも安倍首相が、「TPP反対ということは、公約ではあるけど自分の口からは言っていない」とスゴイことを言っているのだから、無茶苦茶である。

「私自身は、TPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございませんから。まるで私が言ったかの如くのですね、発言は慎んでいただきたい」
と言っちゃったのです(呆れ)。
25秒の動画ですから、得意満面な様子を見てやってください。
 安倍総裁に言わせれば自分の口から直接言ったのは、
「聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加には反対する」
と言っただけで、無条件でTPP参加に反対したわけではないということらしいんですが(こういうのを法律用語で善意解釈=善解と言います)。
 しかし、実際には、TPPでは95%の物品について関税撤廃を約束してしまっており、さらに聖域としたコメなど5品目についても今わかっているだけで3割の関税削減を約束しちゃってますからね。
 完全に関税撤廃に聖域なんて作れなかったわけで、自分の口で直接言った公約さえ、全く守れなかったことは明らかで、つまり安倍総裁は嘘を言ったことに間違いないわけです。自民党はTPP反対と公約したけど、自分の口からは直接は言ってないもんねえ、と言い出すお子ちゃま総理。

世も末であるが、いつまでもこの国を任せるわけには行かないのだ。

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2016年4月 9日 (土)

浜岡原発撤退の論理と倫理(4)/技術論と文明論(46)

)東日本大震災は、われわれに巨大地震の恐ろしさを見せつけた。
南海トラフ地震の津波の大きさは東日本大震災以上だと予測されている。
中部電力浜岡原発は、東海地震の想定震源域の真上にある。
よりによって危険な場所に立地したものだと思わざるを得ない。
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東海地震と浜岡原発

日本列島は火山列島である。
⇒2012年5月 8日 (火):火山活動との共生/花づな列島復興のためのメモ(62)
火山はさまざまな恵みをもたらしてきたが、一方でひとたび巨大噴火が発生すると影響は気象等を通じて長期間に及ぶ。
天明の大飢饉は浅間山噴火が原因だと言われるし、1783年のアイスランドのラキ火山の噴火による冷害は、フランス革命の遠因になったと言われている。
⇒2012年9月30日 (日):「火山の冬」と富士山噴火の可能性/花づな列島復興のためのメモ(147)
⇒2012年3月 9日 (金):餓死という壮絶な孤独(3)/花づな列島復興のためのメモ(34)

エネルギー政策の論客だった澤昭裕氏が、1月に56歳の若さで亡くなった。
死の2日前まで手を入れていたという文章が雑誌「ウェッジ」の3月号に掲載されている。
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澤氏の論旨を大胆に要約してみよう。

日本は原子力という選択肢を手放すべきではないが、政官民がもたれ合う無責任の構造を続けているとそれが失われるだろう。原子力を殺すのは原子力ムラ自身であり、結果として電力安定供給のリスクは国民が負う。

澤氏の言うように、原発という選択肢を保持するとしても、浜岡原発は撤退すべきではないか。
過去の記録では南海トラフ地震は連動して起きることが多い。
宝永期のように富士山噴火が同期することもある。
不思議なことだが、石黒耀『死都日本』講談社(2002年9月)によれば、それは「お陰参り」のような大衆乱舞現象(踊狂現象)とも同期するらしい。

【踊狂現象発生年】 【地学的事件】
1096年          1096年東海地震
              1099年南海地震
1497年          1498年南海地震
1604年         1605年慶長地震
1705年         1707年宝永地震
1707年         1707年富士山宝永噴火

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2016年4月 8日 (金)

秘密のヴェールに包まれたTPPと甘利前大臣/アベノポリシーの危うさ(50)

環太平洋連携協定(TPP)の承認案と国内制度を整備する関連法案が、衆院本会議で審議入りした。
しかし、政権には真面目に審議する気があるのだろうかと思わざるを得ない。
安倍晋三首相は「成長戦略の切り札」と述べ、経済効果など利点を強調するが、交渉の推進役だった甘利明前大臣は睡眠障害とやらで不在である。

かと思えば、政府が5日、衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会の理事懇談会でしめした、甘利明前経済再生担当相と米国のフロマン通商代表による閣僚協議などTPP関連文書は、表題を除いて黒く塗りつぶされ、内容は分からない状態だった。
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TPP交渉文書、黒塗りで開示 内容は分からない状態

これが安倍政権の実体なのである。
「聖域なき関税撤廃」という条件をつけてはいるが、「TPP絶対反対」というのが自民党の公約だった。
お得意の詐欺的レトリックである。
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選挙の時だけTPP絶対反対というウソをつき今度は聖域というウソをつく自民党

いかにもタフネゴシエーターだったかのように自らを言っていた甘利氏である。
ここは全容を明らかにすべきであろう。
よほど内容に都合が悪いことが記載されているのであろうか。

TPPは関税の撤廃など国民の生活に大きな影響を与えるにもかかわらず、交渉は秘密形式で進められた。
政府の主張の通りだとすれば、成長戦略への寄与や国会決議の趣旨に沿っていることなどは、むしろ積極的に開示すべきであろう。
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TPP経済効果で攻防 野党「農業損害を過小評価」首相「成長戦略の切り札」

政権の態度は、アマリにも国民を愚弄したものと言うしかない。

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2016年4月 7日 (木)

川内原発抗告審批判/技術論と文明論(45)

九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の周辺住民らが再稼働差し止めを求めた仮処分申し立ての即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は、住民側の申し立てを退けた。 
東京電力福島第1原発事故後に策定された原発の新規制基準は「耐震安全確保の観点から、極めて高度の合理性を有する」と認定したものだ。
しかし「新規性基準に適合すなわち運転すべし」とは言えない。
審査基準のサイトには「これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません」と明記されているのだ。
つまり必要条件ではあるが十分条件ではないということである。
⇒2016年2月 7日 (日):原発の安全性の必要条件と十分条件/アベノポリシーの危うさ(12)

もちろん絶対に安全ということなどあり得ない。
たとえ危険なものであっても、使うメリットの方が大きければ使うという判断はあり得る。
許容量の概念は、危険か安全かの境界として科学的に決定される量ではなくて、人間の生活という観点から、危険を「どこまでがまんしてもそのプラスを考えるか」という、社会的な概念として理解すべきである。
⇒2015年4月28日 (火):原発再稼働に関する2つの地裁判断/技術論と文明論(24)

特に火山噴火のリスクについての判断は不可解である。

 川内原発は、桜島周辺の姶良(あいら)カルデラ(陥没)などに囲まれた、巨大噴火のなごりをとどめる“火山銀座”の内側にある。
 火山の影響について裁判長は、巨大噴火の予測を前提とする規制委のリスク評価を「不合理」と指摘した。
 ところが、原発の運転期間中に破局的噴火が起きる根拠がないとして、川内原発の立地が客観的に見て不合理だとも言えない、と断じている。巨大火山と共生する住民の不安には、まったくこたえていないと言っていい。
川内原発抗告審 福島の教えはどこへ

巨大地震では国は滅びないが、巨大噴火で滅びる場合があるとは、石黒耀『死都日本』講談社(2002年9月)の指摘するところである。
⇒2016年3月23日 (水):浜岡原発撤退の論理と倫理/技術論と文明論(42)
有名な天明の大飢饉も浅間山噴火が原因だった。
⇒2009年10月11日 (日):八ツ場ダムの深層(1)天明3年の浅間山大噴火

死都日本』は、霧島が永い眠りから目覚めて噴火し、それに引き続き霧島火山群の母体というべき加久藤カルデラが破局的大噴火する、という設定である。
小説ではあるが、火山に関する蘊蓄が豊かである。
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一歩 日豊 散歩

火山のリスクを軽視すべきではない。

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2016年4月 6日 (水)

安倍首相のウソが意外なところからばれた/アベノポリシーの危うさ(49)

安倍首相が平然とウソをつくことについて、サイコパスと呼ばれるものの一種ではないかと思う。
⇒2015年6月 2日 (火):安倍晋三=サイコパス論/人間の理解(13)

昨年末、北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫氏の兄・透氏が刺激的なタイトルの本を出版した。
拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々 』講談社(2015年12月)である。
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東京新聞1月14日

この著書をめぐって、旧民主党の緒方林太郎議員が安倍首相に質問をした時、安倍首相は蓮池氏の著書の内容を否定し、次のように言った。

私が申し上げていることが真実であるということは、バッジをかけて申し上げます。私の言っていることが違っていたら私はやめますよ、国会議員をやめますよ。それははっきりと申し上げておきたいと思います。
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https://www.youtube.com/watch?v=M6y0cl8XU5s

ところが、実際は蓮池氏の著書の通りだったことが、自民党札幌市議のブログからばれてしまったのだ。
なんと札幌市議会で共産党の小形香織市議が安保関連法の廃止を求める意見書について賛成討論をした際、議場内で「精神鑑定を受けた方がいいんじゃないのか」と低劣極まるヤジを飛ばした人である。
その議員の名は、勝木勇人という。
2003年1月30日に安倍官房副長官(当時)の講演を聞いて感激してブログに記録を残した。
しかも現在は、都合の悪い分は削除されているという。
証拠隠滅以外の何ものでもあるまい。

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安倍首相辞任、整いました。安倍首相の痛恨のオウンゴール発言が、自民党議員のブログから発掘

まさに天網恢々疎にして漏らさず。
これでもシラを切るのだろうか。

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2016年4月 5日 (火)

金融政策だけではどうにもならない/アベノポリシーの危うさ(48)

株高を演出しつつ、現実には集団的自衛権の行使容認など、いわゆるジャパン・ハンドラーの手の内にあった安倍政権の綻びが目立つ。
金融緩和政策頼みの経済政策の限界がはっきりしつつある。
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東京新聞4月5日
⇒2016年4月 2日 (土):虚構の経済政策の終焉/アベノポリシーの危うさ(46)

NY証券取引所で「Buy my Abenomics」とはしゃいでいた株式市場も、日本株の売り越しに転じた。
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指標が明確に示す「アベノミクス逆回転」

そうなると高株価演出のために投入されてきた公的資金である。

 国民が拠出する国民年金や厚生年金の積立金を運用する独立行政法人「GPIF」が二〇一五年度、約五兆一千億円の損失を出す見通しとなったことが、専門家の試算で明らかになった。GPIFは安倍政権の方針に基づき一四年秋以降、運用資産のうち国債の比率を下げる一方、株式投資の比率を倍増させたが、中国経済の減速などに伴う世界的な株安もあり、裏目に出ている。変動の大きい株式を主軸に年金を運用する政策の是非が問われそうだ。
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年金、5兆円損失の見通し 運用法人、株積極投資が裏目に

このツケは結局国民に回ってくるのである。
それでも安倍政権を支持するのだろうか?

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2016年4月 4日 (月)

お粗末さが示す自民党の本質/アベノポリシーの危うさ(47)

今に始まったことではないが、自民党のお粗末ぶりが際立っている。
全国不祥事マップまで作られる始末だ。
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【やだね!】自民党不祥事マップが作成される!ネットでは「まだいる」「まだいる」の大合唱!

参院選に擁立を図った乙武氏や今井絵理子さんなどについては、障害の問題について、どういう政策を講じようとしていたのかが改めて問われる。
人気のある人を擁立しようというだけでは国民をバカにしていると見られても仕方がないだろう。
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週刊文春4月7日号

政権復帰した2012年の総選挙で当選した議員は、不祥事のオンパレードであった。
国民の民主党に対する嫌悪感が一役買っていることは事実であり、民進党に対する盛り上がりに欠けるのもそれが1つの要因であろう。

 安倍政権が頭を痛める問題。それはマイナス金利でもアベノミクスの失敗でも、妻のあれこれでもない。「2012年問題」だ。昨年から世間を騒がせ、私たちを失笑させた3人の自民党議員を思い出してほしい。
 まずは昨年3月、妻子持ちの門博文衆議院議員(50才)との不倫が発覚し、“路チュー”の現場を撮られたばかりか、その後入院した禁煙の病室でたばこを吸っていたのがバレて謝罪した、中川郁子衆議院議員(57才)。スクープした週刊誌に直撃され、「私はもっと美人」などと訳のわからない否定をしたのと相まって大きな騒ぎとなった。
 昨年8月に自民党を離党した武藤貴也衆議院議員(36才)は、未公開株を巡る金銭トラブルが発覚し、未成年男性の買春疑惑まで報じられた。
 そして、今年2月に議員辞職した宮崎謙介元衆議院議員(35才)は記憶に新しい。“育休取得”を宣言しながら、出産のため妻が入院している隙に自宅マンションに元タレントを連れ込み、ぬけぬけと不倫。1日に400回も彼女にLINEをしていたり、記者会見では、他の女性の存在も堂々と認める“ゲス”っぷりを披露した。
 もはや政治家としてより、人としてどうなのか? という3人に共通するのが、「2012年衆議院議員総選挙当選組」だということ。
 2012年の総選挙では、民主党から自民党へと政権交代が起きて、自民党は119から294へ大幅に議席を増やした。その“混乱期”に大量当選した議員のなかに、“問題児”が交じっていたというわけだ。セクハラ野次や報道規制発言で問題になった大西英男衆議院議員(69才)も、共産党に「テロ党」と野次を飛ばした山田賢司衆議院議員(49才)も、もれなく2012年組。政治評論家の有馬晴海さんは、大きな原因は2012年の「大量当選」にあると指摘する。
自民党2012年問題「イケメンならOK」の大量当選の代償

かと思えば、官邸は、今や安倍首相の天敵の感もある山尾志桜里議員のスキャンダル探しに躍起だという。
その成果であろうか、「週刊新潮」が4月7日号で、山尾氏の資金疑惑を報じた。
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安倍応援団のフジサンケイグループなど、鬼の首をとったようなハシャギぶりである。

 ガソリンプリカは身分証明書なく購入できるため、1人で何枚も持つことが可能だ。利用約款では第三者への譲渡は禁じられているが、所有者を確認することはない。今回の疑惑との関係は不明だが、愛知県内の金券ショップでは、ガソリンプリカの買い取りも販売もしている。
 一体、この不可解な入金は何なのか。
 民進党の岡田克也代表は「きちんと調査をして、あまり時間をかけずに説明することが求められている」と3月31日に注文をつけた。
民進・山尾政調会長“ガソリン代疑惑”で新事実 13、14年にもプリカ入金70回

ところが肝心の安倍首相や菅官房長官にも同様の疑惑があるという。
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安倍首相もガソリン代を地球7周分計上していることが発覚!2013年だけでガソリン代約550万円!

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自民の菅義偉官房長官もガソリン代を地球数週分計上!収支報告書に明記、計200万円以上!

官邸が仕掛けたと思われるが、藪をつついて蛇が出た感じである。
レベルの低い足の引っ張り合いは止めて、真摯な政策論争を期待したい。

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2016年4月 3日 (日)

浜岡原発撤退の論理と倫理(3)/技術論と文明論(44)

安倍晋三首相は1日午前(日本時間2日未明)、核物質や核施設の防護・管理強化を話し合う「核安全保障サミット」で演説し、「原子力の平和的利用を再びリードすべく歩み始めた」と原発の再稼働推進を宣言した。
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東京新聞4月2日

東京電力福島第一原発の事故から5年が過ぎた。
避難生活を強いられている人は、未だに約10万人いる。
汚染水も未だに流し続けている。
しかし、これらのことは、安倍首相の眼中にはないようである。
常人の発言とは思えない。
どういう神経の持ち主なのだろうかと思う。
⇒2015年6月 2日 (火):安倍晋三=サイコパス論/人間の理解(13)

救い難いではないか。
そんな態度で浜岡原発再稼働を進めたら、北野慶『亡国記』現代書館 (2015年8月)のような事態もフィクションとは言えなくなってくる。
⇒2015年12月 3日 (木):核燃料サイクルは延命させるべきか/技術論と文明論(35)
⇒2015年12月 6日 (日):特定秘密秘密の範囲と国民の知る権利/日本の針路(262)
⇒2015年12月25日 (金):高浜原発再稼働に慄然とする/技術論と文明論(38)

なおかつ、政府は1日の閣議で、「憲法9条は一切の核兵器の保有および使用を禁止しているわけではない」とする答弁書を決定した。
ただ、「政策上の方針として一切の核兵器を保有しないという原則を堅持している」との見解も併せて示した。

答弁書でも、憲法9条の解釈として「自衛のための必要最小限度の実力を保持することは禁止されていない」と説明。「核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものがあるとすれば、必ずしも憲法の禁止するところではない」としている。
「憲法は核兵器保有を禁止せず」政府、閣議で答弁書決定

まあ、形式論としてはその通りかもしれないが、「自衛のための必要最小限度の核兵器」というものを実体的に想定することは難しい。
わざわざ現時点でそう答弁することもあるまい。
なるべく早く政権から引きずり降ろすべきであろう。

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2016年4月 2日 (土)

虚構の経済政策の終焉/アベノポリシーの危うさ(46)

アベノミクスと称する経済政策とは何だったのか?
それが虚構・いかさまの類だったことは既に指摘した。
⇒2016年1月15日 (金):いかさま経済政策の破綻/アベノミクスの危うさ(67)
⇒2016年1月17日 (日):いかさま経済政策の破綻(続)/アベノミクスの危うさ(68)
⇒2016年1月18日 (月):いかさま経済政策の破綻(3)/アベノミクスの危うさ(69)

安倍首相が「経済の好循環」を強弁しても、実体経済が好転していないことは明らかである。
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東京新聞4月2日

唯一実質的な意味を持っていた金融緩和政策も、マイナス金利にしても大した効果がないことが明らかになりつつある。
日経平均株価の2年間の推移は以下のようである。
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今年に入ってからの乱調ぶりが分かる。
中国経済などの外生的要因のせいにするつもりかも知れないが、アベノミクスというものの無内容の結果と認識すべきであろう。

さすがに官邸もこの状況では消費税率アップを行うと底が抜けると焦り始めたようである。
スティグリッツやクルーグマンなどのノーベル賞経済学者を招聘して、窮地を切り抜けようとしているが、経済学においてもアメリカ頼みというところが「らしい」と言うか、情けないところだ。
戦後レジームからの脱却と叫んでも、永続敗戦論に絡めとられているのは、安倍政権側である。

日銀の緩和政策の限界については、「東洋経済」4月2日号が詳しく解説している。
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2016年4月 1日 (金)

消費税率アップ先送りならば安倍辞任が筋/アベノポリシーの危うさ(45)

安倍晋三⾸相が平成29年4⽉に予定していた消費税率10%への引き上げを⾒送る⽅針を固めたという。
消費税引き上げには反対であるが、安倍首相が「この道しかない」と標榜して、2014年12月の総選挙に臨んだことをそんなに簡単に忘れてしまうほど呆けてはいないつもりだ。
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元外務相の分析官だった佐藤優氏がモスクワに駐在していた頃、ソ連共産党が、「この道しかない」というスロ-ガンを掲げ、テレビ・ラジオは「改革のためには、この道しかない」とがなりたてたという。
佐藤氏は、「今になって振り返ると、このあたりからソ連のペレストロイカ路線はおかしくなって来た」という。
なぜなら、複数の考え方、複数の選択を認め、社会を活性化していこうとすることでソ連社会を活性化するという発想と、「この道しかない」という路線を押し付けることが、矛盾していたからである。
案の定、3年後の1991年12月、ソ連は崩壊したのである。
⇒2014年12月25日 (木):「この道しかない」という硬直性/アベノミクスの危うさ(45)

安倍首相が先延ばししようというのは、世界経済が減速・不安定化する中で再増税すれば国内の景気が冷え込み、政権が最重要課題に掲げるデフレ脱却が困難になるとの判断からだという。
しかし世界経済が減速・不安定化するか否かにかかわらず、再増税すれば国内の景気が冷え込むだろうことは、最初から分かっていたのではないか。
しかも政策的失敗をポール・クルーグマン教授の名を借りて糊塗しようとしたのが、クルーグマン教授により暴露されてしまう始末だ。
会談の後半は政府側との討議であるが、「日本政府の質問はこの程度?」というような次元の低いものだったという。

 例えば安倍首相は「難民のための住宅投資や教育投資は景気刺激になるのではないか」と質問。
 これに対し教授は「難民受け入れは、とてつもない社会的緊張をもたらすが、実のところ金額的には大したことはない」とやんわり否定。人道問題である難民を、経済的価値でしか見ていない安倍首相の底の浅さが透けて見える。
 また、菅官房長官は「商品価格の下落が発展途上国に大きな打撃となっている」と発言したが、教授は「商品価格ではなく、需要不足こそが問題だ」とこれまた否定した。
 極めつきは、安倍首相が「これはオフレコで」とあえて断った発言までオープンにされていることだ。安倍首相が「ドイツは財政出動の余地が最も大きい」として、「訪独の際に財政出動を説得したいが、いい知恵はないか?」と尋ねると、教授は気候政策などを挙げた上で、「もっといい提案ができればよいのですが、私は外交の専門家ではないので……」と答えている。
安倍首相赤っ恥 クルーグマン教授が極秘会合の中身を暴露

前回の総選挙の際には、延期は「絶対にしない」とまでミエを切ったのだ。
延期するなら辞任、がスジというものだろう。

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