普天間基地の県内移転は断念すべきだ/アベノポリシーの危うさ(31)
政府は4日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設を巡る代執行訴訟について、移設工事を中止する福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れることを決めた。
県は既に和解案の受け入れを裁判所に伝えており、県幹部は「和解が成立した」と述べた。
沖縄の人って、辺野古への基地移設に反対なの?賛成なの?過去の問題なの?
しかし、計画自体を変えたわけではない。
6月には沖縄県議選があり、夏には参院選もある。
安倍政権が工事中断を含む和解案を受け入れた背景には、強硬姿勢を貫けば選挙に悪影響が出るとの政治的判断もあったと思われる。
安全保障関連法や新基地問題に反対を訴える若者グループSEALDs RYUKYU(シールズ琉球)のメンバーで、国際基督教大四年の元山仁士郎さん(24)=東京都杉並区=は「政府が工事を一時止めると決めたことは評価できるが、基地建設が白紙撤回されたわけではない」と冷静に受け止める。
六月に沖縄県議選、七月に参院選が控える。「政府が、何が何でも辺野古に基地をつくりたいなら、地元にしっかり説明し、選挙で争点化して沖縄の意見を問うべきだろう」と主張。安保関連法の審議が続いていた昨夏、国は工事を延期し、法成立後に着工した。「今回も選挙で基地問題を問われないための争点外しを狙っているのだったら、あまりに沖縄の人たちをばかにしている」と話す。
「和解というと解決をイメージしがちだが、今回は単なる仕切り直し。政府が本気で沖縄のことを考えての決断なら、今後の県との協議で辺野古基地閉鎖の道を探るべきだ」と訴える。
日本基督教団の牧師、平良愛香(あいか)さん(47)=相模原市=も国が和解に応じたことは「選挙目当てじゃないか」と疑う。「沖縄の基地問題で、国はこれまで平気で約束を破ってきた。政府のすることには裏があるから、和解で浮かれていては駄目だ」と警戒心をあらわにする。
工事中断については「つかの間でも、ボロボロになって基地建設の阻止行動をしている人たちが、体を休めることができるのはよかった」と話す。
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック事務局長の木村辰彦さん(63)=杉並区=は「翁長雄志(おながたけし)知事が裁判を通じて頑張ってきたことと、沖縄県民がオール沖縄でずっと怒ってきたことを政府が無視できなくなった」と工事中断を評価する。
辺野古 工事中断 首都圏の沖縄出身者「選挙対策」「いずれ着工」
今回の和解が、選挙をしのぐ時間稼ぎであってはならないだろう。
首相に埋め立て工事中断を決断する度量があるのなら、普天間飛行場の県内移設を断念し、国外・県外移設を米側に提起すべきである。
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