東電強制起訴の意味と意義/原発事故の真相(138)
東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人が強制起訴された。
業務上過失致死傷容疑で告訴・告発され、2回にわたり不起訴処分となっていたが、東京第5検察審査会の再審査で、「起訴すべきだ」と議決したものである。
http://newskey20xx.net/blog-entry-368.html
あれだけの大事故で、未だに苦しんでいる人が大勢居るのだから、国策としての問題は別としても、事業者が責任を問われないというのは市民感覚としても許されない。
強制起訴を受けて、法廷の場で可能な限り審理を尽くして欲しい。
論点はいろいろあるだろうが、最大の論点は「予見可能性」であろう。
東京新聞3月1日
東電と国は、巨大地震や大津波は「想定外」と主張してきた。
国際原子力機関(IAEA)が作成した福島第一原発事故の最終報告書でも、「『日本の原発は安全』との思い込みにより、関係機関には、安全レベル(向上)に挑もうとしない傾向があった」と記されている。
要するに、「大津波は来ないだろう」という根拠のない楽観論=神話である。
大東亜戦争でも、最後には神風が吹いて戦局は好転する、と真面目に、本気で考えられていたのだ。
⇒2015年8月19日 (水):福島原発事故の予見可能性/原発事故の真相(134)
せっかくだから、東電の瑕疵についてはもちろんだが、エネルギー政策や近代文明のあり方をも視野に入れて審理して頂きたい。
原発事故については、事業者の責任だけでは捉えられない。
ひとたび事故が起きれば、一私企業だけで対応できないことは、福島原発事故で明らかである。
にもかかわらず原発再稼働を急ぐ安倍政権や電力会社の思考様式が問われているのではなかろうか。
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