地方からの発信・夏樹静子/追悼(83)
推理小説で知られる作家の夏樹静子(なつき・しずこ、本名:出光静子)さんが3月19日午前3時10分、心不全のため福岡市内で死去した。
77歳だった。
夏樹静子さん死去 「蒸発」「Wの悲劇」などの推理小説作家
トリック構成と女性心理や母性本能の微妙な描写に優れた本格派の推理作家だった。
湖畔の別荘で起きた殺人事件を描く1982年の「Wの悲劇」はエラリー・クイーンの三部作を意識した野心的な試みだとされる。
福岡に腰を落ち着けて文筆活動を続けた。
夫の新出光社長の出光芳秀氏は、出光佐三の甥である。
山口県下関市在住で、長年の執筆仲間だったという直木賞作家の古川薫さん(90)は弔辞で「東京一極集中の時代に福岡に居を移し、まぶしいばかりの活躍ぶりだった。どれほど励まされたことか」と別れを惜しんだ。式後には「不妊治療などいろいろな事象に関心を寄せ作品を書き続けた『社会派推理作家』だった」と功績をたたえた。
夏樹さんは慶応大在学中から執筆活動を始めたが、結婚を機に福岡に移った。喪主を務めた夫で新出光会長の出光芳秀さん(78)は「好きな小説を書き、皆さんに愛されて、充実した幸せな人生だった」と声を震わせながらあいさつした。
夏樹静子さん葬儀に1200人 古川薫さん、福岡での活動に「励まされた」
私は腰痛がひどかった時、夏樹さんの『椅子がこわい-私の腰痛放浪記』を読んで、参考にさせてもらった。
同書は、精神的原因から来る身体の不調について広く知らしめ、日本で心療内科が広まるきっかけを作った。
合掌。
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