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2016年3月11日 (金)

原発稼働の論理を考え直すべき/アベノポリシーの危うさ(34)

安倍首相は、高浜原発の運転停止命令に対しても、関電が適切な説明さえすればOKのように考えているらしい。

 安倍晋三首相は10日夕の記者会見で、関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)に対し滋賀県住民が求めていた運転差し止めの仮処分を大津地裁が認めたことに関し、「関電には、さらに安全性に関する説明を尽くしていくことを期待したい。政府としてもそのように指導していく」と述べた。
 また、原子力規制委員会が定めた新規制基準に適合した原発を再稼働する政府方針について「世界で最も厳しいレベルの基準に適合とすると判断した原発のみ、地元理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の一貫した方針だ」と説明。「この方針に変わりはない」と述べ、原発の再稼働を進める考えを重ねて示した。
安倍首相「関電に安全性の説明尽くすよう指導」 高浜原発運転差し止め

ここには救いがたい論理の逆立ちがある。
先ず第一に、原発を稼働させなければならないような電力需給の状態ではない。
福島原発事故の直後は、確かに計画停電をする必要があったかもしれない。
しかし、その後節電が進み、再生可能エネルギーの供給も拡大し、広域的な電力調整も可能になった。
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東京新聞3月11日

今の時点で、電源として原発に頼らなければならない理由は何か?
福島第一原発事故から5年経つが、事故はいまだに解明できていないのだ。
にもかかわらず「世界最高水準の安全審査基準」は気休めにしかならない。
しかも運転により発生する核廃棄物の処理方策もメドがついていないのだ。

驚くべきことに、九州電力は川内原発再稼働後に、事故が起きた際に対策所を置くとしていた免震重要棟の新設計画を撤回した。

川内原発の免震棟は原子力規制委員会の審査でも設置が前提とされていたが、対策所の広さが三分の一以下の暫定施設を使い続けるとしている。
 九電は「方針変更は総合的に判断した。費用面も全く無関係ではない」としている。規制委幹部は「一度設置すると約束したものをやめるのならば説明が必要だ」として、九電に経緯や機能の説明を求める方針だ。
九電、免震棟新設を撤回 川内原発 再稼働の前提ほご

免震重要棟については、事故当時、東電社長だった清水正孝氏が国会事故調査委員会の参考人質疑で「今回の私どもの一つの教訓だと思いますが…、もし、あれがなかったらと思いますと、ゾッとするくらい」と話している。
こんな実質的な非合法を持ち出すのも、安倍政権が原発推進派であるからである。

原発事故の影響は私企業では償いきれない。
自他共に認める優良企業だった東電も、延命措置を講じた状態である。

「東電は福島の住民から一生、許されることはないでしょう。それでも福島の(事故処理の)責任を果たすために生かされている。できるのは、会社の責任を背負った一人一人の社員が誠意を尽くしていくことだ」
 事故によって東電は莫大な賠償責任を負ったが、国は破綻処理を選ばず、賠償資金を支援する枠組みをつくった。東電では復興本社の社員以外も全国から被災地に赴き、被災者の家の片付けや草むしり、道路の除雪作業などにあたっている。
東電、終わらぬ償い 「生かされている」 宿命

160311
日本経済新聞3月11日

事故の教訓は既に風化しつつある。
事故報告書もすっかり忘れ去れている。
⇒2012年7月25日 (水):政府事故調の報告書/原発事故の真相(41)

再度福島原発事故の教訓を見直すべき時だ。

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