渾身の安倍批判by報ステ・古館氏/アベノポリシーの危うさ(39)
3月18日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日)が、大きな話題を集めている。
降板が決まっている古館氏による渾身の安倍批判である。
安倍首相が改憲の入口として新設を目論んでいる「緊急事態条項」について、ヒトラーが独裁のために悪用した「国家緊急権」と重ね合わせて批判した。
古舘伊知郎キャスター自らがドイツへ渡りレポートした。
独裁の道に走らせたのは第1次大戦の反省で生まれた理想的なワイマール共和国憲法に入っていた「国家緊急権」だと言われる。
ワイマール共和国についてのデジタル大辞泉の解説は以下のようである。
第一次大戦後成立したドイツ共和国の通称。十一月革命(ドイツ革命)を指導した社会民主主義勢力が、1919年にワイマールで国民議会を開き、ワイマール憲法を制定して、18の連邦からなる共和国として成立。1933年、ナチス政権の樹立によって消滅。
かつて麻生副首相が、次のように言ったことがある。
「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
⇒2013年8月 4日 (日):撤回では済まされない麻生副総理の言葉
この言葉を、いま安倍首相は着実に実行しているのだろう。
自民党による憲法改正草案の該当箇所には、こうある。
(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
災害が理由にならないことは、被災地の首長の意見が証明している。
⇒2016年3月17日 (木):何のための緊急事態条項か?/アベノポリシーの危うさ(36)
草案では、緊急事態宣言は国会の承認が必要だが事後でもいいことになっており、これは事実上、事後承認でやりたい放題できる、ということだ。
夏の参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得し、緊急事態条項の新設となれば、いよいよ本当に安倍首相はヒトラーのように独裁にひた走ることを思い描いていることだろう。
ヒトラーは、「独裁」を「決断できる政治」と言い換えた。
安倍総理も「決断できる政治」という。
ヒトラーは「戦争の準備」を「平和と安定の確保」と称した。
先日制定された法律は「平和安全法制」という。
ヒトラーは「強いドイツを取り戻す」と国民に約束し
「この道しかない」 と訴えた。
安倍総理も「日本を取り戻す」「日本を強くする」と約束し
「この道しかない」と訴えている。
泥憲和氏のFacebook投稿
安倍さん、どうしますか?
激怒?
名誉棄損?
お好きなように。騒ぎが大きくなるだけだろう。
古館氏、最後の一太刀である。
お見事!
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