浜岡原発撤退の論理と倫理(2)/技術論と文明論(43)
脱原発を訴える大規模な市民集会が26日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれ、約35000人(主催者発表)が参加した。
東京電力福島第一原発事故から五年が経過した中、原発再稼働ストップなどを呼び掛ける大規模集会が二十六日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。主催者発表で約三万五千人が集まり、参加者らは「原発のない未来へ」「つながろう福島」などと訴えた紙を掲げ、脱原発への思いを新たにした。
作家の沢地久枝さんが登壇し、原発輸出推進や安全保障関連法施行など安倍政権の政策に触れ、「私たちはなめられている」「それが日本人の意思であるように言う政治家らを、このままにしておいていいとは思わない」と憤った。東電元幹部らの刑事責任を追及している福島原発告訴団副団長の佐藤和良さんも「福島を切り捨てる政権の原子力推進政策を許すわけにはいかない」と怒りをぶつけた。
生後十一カ月の長女を連れて参加した横浜市の主婦戸原貴子さん(39)は「五年前の事故で原発や放射能の怖さを知った。事故処理も終わっていない中で原発を再稼働することには反対」ときっぱり。祖母が広島で被爆したという東京都練馬区の元教師西田昭司さん(69)も「核兵器だけでなく、原発も絶対やめなければならない」と訴えた。
参加者らは集会後、代々木公園周辺をデモ行進し、脱原発への理解を呼び掛けた。
再稼働止める 代々木で大規模集会
昨年8月、川内原発が再稼働するまで、稼働している原発は0だったが、電力不足に陥ったことはなかった。
再生可能エネルギー開発、節電、供給の広域的な調整が進んだためである。
⇒2015年8月11日 (火):なぜ川内原発を再稼働させるのか?/日本の針路(211)
⇒2015年8月14日 (金):原発再稼働とメディアの姿勢/原発事故の真相(133)
代々木公園の集会は、東京電力福島第1原発事故以降、原発ゼロに向けて活動している「さようなら原発1000万人アクション」や「首都圏反原発連合」などが呼びかけたものである。
主催者発表とはいえ、35000人が参加したことは、脱原発の民意の底堅さを示すものであろう。
四国電力が、来年9月で運転開始から40年を迎える伊方原発1号機(伊方町)の廃炉を決めた。
廃炉作業は完了まで30年ほどかかるとされる。
解体、撤去の際に大量に発生する放射性廃棄物の処分など、安全に十分に配慮して作業を進めて頂きたい。
四電の廃炉の決断は評価したいが、一方で3号炉は7月下旬の再稼働を目指すことに変わりはない。
長期的な視点に立てば、現在の原発は割に合わない。
政府は2030年の電源構成比率目標で、原発を20~22%としたが、老朽化原発を考慮すると、新増設も想定していると考えられる。
エネルギー政策の神話からの転換を大胆に進めるべきである。
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