政府の辺野古是正指示は遺憾/アベノポリシーの危うさ(32)
政府は4日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設を巡る代執行訴訟について、移設工事を中止する福岡高裁那覇支部の和解案を受け入れることを決めた。
⇒2016年3月 5日 (土):普天間基地の県内移転は断念すべきだ/アベノポリシーの危うさ(31)
しかし和解とは何だろう?
政府は7日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設を巡る訴訟での県との和解を受け、翁長知事に対し、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分を是正するよう指示した。
是正指示は和解条項に基づく一連の手続きの一つだが、辺野古移設を推進する国と、反対する県の主張に変わりはない。
舌の根も乾かないうちに、一度の協議もしないままに是正措置を指示するのでは、対立構図が鮮明になるだけではないか。
新たな訴訟に発展する公算が大きいが、そうなれば何のために和解を受け入れたのか?
辺野古、きょう是正指示
和解により、政府は辺野古での工事を中断し、県と円満解決に向けて協議する事となっている。
政府が早々と次の段階に進んだことに翁長氏は反発し、「結論をよい方向に出そうという中で、入り口でこういう形でやるのは大変残念だ」と述た。
和解成立の3日後に、何の協議も行わないで是正指示を出すことは、沖縄側から見れば次のように映る。
仲介者に促され、もめ事は話し合いで解決することを目指すと約束してみせる。だが、舌の根も乾かぬうちに相手方に短刀を突き付け、あるいは足を踏み付けながら、こちらに従えと威圧する。それでいて、世間には笑顔を見せて善人ぶる。そんな厚顔極まる神経を持っているとしか思えない。
<社説>辺野古是正指示 独善と強権に対抗しよう
確かに安倍首相は、「辺野古移設が唯一の選択肢という考え方に変わりはない」と言い続けている。
しかし、それでは対立の構図は変わらないのではないか。
安倍首相に工事中断を決断する度量があるのなら、辺野古新基地を断念し、国外・県外移設を米側に提起したらどうか。
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