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2016年2月28日 (日)

丸川環境相の発言にみる安倍政権のホンネ/アベノポリシーの危うさ(28)

安倍内閣の閣僚の失言・不適切発言が目立つ。
丸川珠代環境相は最終的に発言を撤回したが、撤回すれば発言は無かったことになるのか?
⇒2016年2月13日 (土):丸川珠代環境相の不適切発言/アベノポリシーの危うさ(18)
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オフィシャルサイトで「若者・女性・高齢者が主役になれる社会」を謳っているが、基本的な資質に欠けると言わざるを得ない。

 2月7日、丸川議員は長野県の講演で、東京電力福島第1原発事故後に、国が除染に関する長期努力目標として「年間1ミリシーベルト」と定めていることに関し「何の科学的根拠もない」「反・放射能の人がワーワー騒いだ」と発言して大きな問題となった。さらに衆院予算委員会で発言を追及された丸川議員は一旦はそれを否定したが、後日、一転して謝罪をするドタバタぶりを露呈した。
丸川珠代発言こそが日本のホンネか? 福島で甲状腺がんの子どもがさらに増加するも政府、県、メディアは黙殺

除染の目標数値を「何の科学的根拠もなく」と言ってのける神経に驚く。
国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射性物質の影響が残る状況下での年間被ばく線量の目標について「1〜20ミリシーベルトを許容範囲」と勧告している。
この範囲のうち最も低い値を民主党政権は除染の基準とし、これは自民党政権も変えていない。
安全性の問題については、物理学者の故武谷三男さんが、『安全性の考え方』岩波新書(1967年5月)の中で次のように書いている。

裁判は“疑わしきは罰せず”だが、安全の問題は“疑わしきは罰しなくてはならない”ということだ.公共・公衆の安全を守るためには“安全が証明されなければやってはならない”のであって、危険が証明されたときには、すでにアウトになっているのである。
⇒2012年7月24日 (火):何をもって安全性の証明とするのか?/花づな列島復興のためのメモ(117)/因果関係論(15)
⇒2012年7月25日 (水):政府事故調の報告書/原発事故の真相(41)

環境省は国民の安全を確保するのがミッションである。
これだけで環境相失格と言って良い。
事故の当事者はなるべく影響を軽く見ようとする。
環境相はそれに対抗しなければならない立場なのに、事業者のような心になっている。

 最近もある重大なニュースが無視されてしまった。それは、福島原発事故の後の子どもたちの甲状腺がんの増加だ。2月15日、福島の有識者会議「「県民健康調査」検討委員会」が会見で、事故後、甲状腺がんと診断された福島県の子どもたちは167人に上ると公表したのだ。
 福島原発事故後の2011年10月から始まった当時18歳以下だった子どもへの甲状腺がんの検査だが、現在は1巡目が終わり2巡目の検査が行われている。そこで新たに甲状腺がんまたはがんの疑いの子ども51人(男性21人、女性30人)が発見され、最初の検査と合計で167人という膨大な人数に膨れ上がっている。
 しかし驚くのはこの数字だけではない。会見で検討委員たちが次々と発した言葉だ。それらは全て、がん増加と事故のその因果関係を否定したものだった。
 例えば星北斗・福島医師会副会長はもってまわったような言い方で、福島県の甲状腺がんと事故の因果関係をこう否定した。
「チェルノブイリとの比較の線量の話、あるいは被爆当時の年齢などから考えまして、これらのがんにつきましては、放射線の影響とは考えにくいとの見解をこのまま維持する形に、今日の議論としては委員会としてはそうなったと理解しています」
 また被爆医療の専門家でもある同委員会の床次真司・広前大学被ばく医療総合研究所教授も「総じて言えば福島の事故における甲状腺被ばく線量はチェルノブイリ事故に比べて小さいことは言えるだろうと考えます」と同様の見解を表明している。
"チェルノブイリより被爆線量が少ない"そんな根拠だけで、専門家たちが福島事故と甲状腺がん増加の関係を否定したのだ。
丸川珠代発言こそが日本のホンネか? 福島で甲状腺がんの子どもがさらに増加するも政府、県、メディアは黙殺

これでは1967年の武谷さんの時代から進歩どころか明らかな退歩であると言わざるを得ないだろう。
丸川氏個人の問題や認識ではないだろう。
原発再稼働や海外輸出をがむしゃらに推し進める安倍政権の認識であると考えざるを得ない。

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