緊急事態条項はアリの一穴になる/アベノポリシーの危うさ(1)
安倍晋三首相は19日午前の参院予算委員会で、夏の参院選の争点に掲げた憲法改正の具体的中身について、「緊急事態条項」の説明を行った。
「東日本大震災の時に地方選挙を延期するという措置がなされ、自民党内で、国会議員もそういう対応ができないか議論になった」と述べた。
これについては、災害の当事者である河北新報紙が明確に批判している。
東日本大震災の初動体制の反省を理由に必要性が語られ、衆院憲法審査会でも議論されてきたが、災害対策が改憲の本当の目的なのだろうか。
日本では災害緊急事態布告の規定もある災害対策基本法や災害救助法、大規模地震対策特別措置法など「法レベルの緊急事態条項」が整っており、災害時の応急対応は外国の憲法が定める緊急事態条項以上に精緻といわれる。
であれば、東日本大震災を踏まえて見直すべきは、憲法の「不備」ではなく既存の災害法制を十分活用できなかった運用面ではないのか。
現憲法では、国政選挙を実施できないほどの大災害が起きても国会議員の任期を延長できず、政治空白的な状況が生まれる懸念がないわけではない。だがそれも参院の緊急集会による立法を認めた憲法規定やその準用で対応は可能との解釈もある。
何より、災害時の対応に向けて必要な法律を作っておくなど、緊急時を想定した備えを怠らないことこそ重要だ。
自民党が2012年に公表した憲法改正草案からも読み取れるように、緊急事態が宣言されると国が強大な権限を掌握し、国民は人権や私権の制約を強いられる。政権が緊急事態を名目に独裁政治への道を歩んだ苦い過去がある。教訓を忘れてはならない。
東日本大震災で被災者支援に当たった各地の弁護士会は「震災対策に名を借りた改憲だ」と、強権政治への危うさを指摘し、一斉に反対声明を出している。災害対策としての実効性と国民が払う代償を冷静に見極めねばならない。
社説(1/19):憲法改正論議/震災便乗のお試し許されぬ
被災地だけでなく若手の弁護士を中心に反対の動きが活発化している。
東京新聞1月18日
自民党の改憲の本丸は、戦争放棄を規定した9条の改正にあるのは間違いあるまい。
それにしても、いつから自民党はタカだけの集団になってしまったのだろうか。
災害やテロ対策で改憲の地ならしをしようとするなら、お門違いも甚だしい。
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