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2016年1月11日 (月)

サウジアラビアとイランの国交断絶/世界史の動向(42)

今年も世界は波乱のようである。
新年早々、サウジアラビアがイランとの国交を断絶した。

サウジアラビアのジュベイル外相は3日夜、イランとの国交を断絶すると発表した。イランの首都テヘランで同日、サウジがイスラム教シーア派の高位聖職者ニムル師を処刑したことに抗議する群衆がサウジ大使館を襲撃したことなどに対する措置。両国が関与するシリアやイエメンなど中東各地での紛争や宗派対立がいっそう激化する恐れがある。
サウジ、イランと国交断絶

サウジアラビアがイランとの外交関係断絶を表明して以来、サウジと関係の深いバーレーンやスーダンもイランとの断交を宣言し、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートもイランから大使を召還した。
イスラム教スンニ派のサウジアラビアを中心とするグループとシーア派イランの対立が深まっている。

対立の発端は2日、シーア派指導者ニムル師を処刑したと、サウジが発表したことだ。
シーア派の指導者が国を治めるイランは猛反発して、最高指導者ハメネイ師が「サウジアラビアは神の報復に直面するだろう」との声明を出し、イランにあるサウジ大使館や領事館は、暴徒化した群衆に襲われ、放火された。
サウジから見れば、ニムル師は体制転覆を唱えた「危険人物」である。
ジュベイル外相は過去のイランでの外国公館襲撃事件にも触れ、「イラン政府が黙認している」と批判した。

サウジとイランは、ともに保守的なイスラム教国で産油国である。
共和制でシーア派を国教とするイランと、その影響力の拡大を防ぎたいスンニ派の王制国家サウジの覇権争いと言えよう。

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 サウジの断交宣言の後、米ニューヨーク商業取引所では一時、原油先物価格が3%以上値上がりした。
 米国務省のカービー報道官は「違いを克服するためには外交努力と直接対話が不可欠だ」とし、緊張緩和に向けた取り組みを促した。また欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は3日、イランのザリフ外相に電話し、緊張緩和を要請した。
 中東不安定化の要因であるシリア、イエメンの内戦でも、サウジはスンニ派、イランはシーア派の諸勢力を支援している。
サウジとイラン、対立激化の背景 2国とも計算ずくか

日本人には、スンニ派とシーア派の争いと言っても実感は湧きにくい。
⇒2014年6月18日 (水):シーア派とスンニ派/「同じ」と「違う」(76)
2016年が安らかな年であることを願う。

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