邪馬台国と駿河と高尾山古墳/やまとの謎(111)
JR東海の広報誌「ひととき」の1月号に、歴史と旅の作家・恵美嘉樹氏が『邪馬台国と駿河』という一文を寄せている。
沼津市の高尾山古墳によって、邪馬台国時代の歴史観が変わるかもしれない、という内容である。
高尾山古墳は旧辻畑古墳というが、昨年道路計画のため取り壊されそうになった。
⇒2009年9月20日 (日):沼津市で最古級の古墳を発掘
⇒2009年9月21日 (月):沼津市で最古級の古墳を発掘(続)
⇒2009年10月25日 (日):朱の効能
⇒2015年6月17日 (水):高尾山古墳の主は卑弥弓呼か?/やまとの謎(103)
⇒2015年6月25日 (木):高尾山古墳が存亡の危機という非常事態/やまとの謎(104)
その後反対運動が高まり、中沢新一氏が、「週刊現代」に連載中の『アースダイバー』で扱ったりした。
また、狗奴国研究の第一人者である赤塚次郎さんの講演会などもあって、現在は古墳の保存と道路の両立ということになっている。
恵美氏の文章も、基本的には高尾山古墳は狗奴国連合の一員ではなかったかとするものである。
残念なことは、出土品を展示している沼津市文化財センターが、土・日・祝・年末年始等が休館なことである。
平日にしか時間がとれない希望者も多いだろう。
担当を交代制にするなど、何らかの策を講じて欲しいと考える。
恵美氏もヤマトタケルの話と結びつけていた。
ヤマトタケルが火攻めにあったという記紀神話が、焼津の地名の起源であるとうことである。
高尾山古墳の主も、ヤマトタケルの抵抗勢力だったかも知れない。
焼津神社のヤマトタケル像
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