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2016年1月 5日 (火)

下町工場の再生可能エネルギー開発技術力/技術論と文明論(40)

TBS系の日曜劇場でテレビドラマ化された『下町ロケット』が高視聴率だった。
原作は池井戸潤の小説で、宇宙科学開発機構の研究員だった佃航平が、死んだ父の経営していた中小企業「佃製作所」の社長となり、社員たちと共に奮闘する姿を描いたものである。
日本のモノ作りにおける優位性の低下が心配されているが、一種の応援歌であろう。

安倍政権は原発再稼働を積極的に推進する姿勢を変えていないが、原発の問題点ははっきりしている。
速やかに政策資源を再生可能エネルギー開発にシフトさせるべきであろう。
再生可能エネルギーは、太陽光発電、地熱発電、風力発電が中心となろう。
それぞれ課題があるが、1月4日の東京新聞に、風力発電の新しいしくみの開発にチャレンジする下町工場が紹介されていた。
風力発電の現状は以下のようである。

 日本風力発電協会の予測では、これから陸上の風力が年々増えて、2035年までに発電規模が2010年の10倍になる。さらに2020年代から洋上の風力が急速に広がり、2050年には陸上の風力と同程度にまで拡大する見通しだ(図1)。その時点で陸上と洋上を合わせた総発電能力は5000万kWに達して、大規模な原子力発電所の50基分に相当する(ただし年間の発電量は3分の1程度)。
Photo
風力発電の3つの課題-環境影響、安全性、コスト-

風力発電の最大の問題点は、風の強弱を調整することができないため、肝心の発電量が安定性に欠けることである。
また、台風のように風が強すぎると今度は耐久性の問題が発生する。

墨田区のベンチャー企業「チャレナジー」は台風のように強い風を発電に利用する全く新しい風力発電のしくみだ。
社長の清水敦史氏は、1979年に岡山県生まれ、2005年に東京大学大学院修士課程を修了後、大手電機メーカー・キーエンスで自動制御機器の研究開発に従事した。
独力で「垂直軸型マグナス風力発電機」を発明し、2014年の第1回テックプラングランプリ最優秀賞を受賞し、同年10月にチャレナジーを設立した。

同社の風力発電はマグナス力を利用する。
地面に対して垂直に立てる円筒棒が風を受けて回転すると、マグナス力の作用で、円筒棒を支える軸が回ることで発電する。
Photo_2
台風で電気「垂直軸型マグナス風力発電」のすごさ

円筒棒を縦置きにするため、風向きを問わないし、低周波の発生などにも利点があると思われる。
こうした技術開発をこそ応援すべきであろう。

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