いかさま経済政策の破綻(続)/アベノミクスの危うさ(68)
元旦の朝放映された「朝まで生テレビ」を久しぶりに視聴した。
昔はそれなりに真剣な討論が交わされていたように記憶する。
残念ながら、司会の田原総一朗氏も加齢のためか、ボケているようである。
やたらに大声を張り上げて自論を主張する姿は、耄碌を感じさせるものであった。
「激論!戦後70年日本はどんな国を目指すのか!」と題されていたが、いくつかの点で「やっぱり」という気がした。
番組全体については、小林よしのり氏の発言がある。
「朝ナマ」に出たが、議論はアベノミクスばかりで韓国の慰安婦合意に関しては全く無視された。
どうも奇妙である。
アベノミクス延命が目的だったかのようだ。
わしを含め、アベノミクス疑念派の論客が草食系過ぎて全然弱い。
浜矩子くらい呼んでこないと太刀打ちできないだろう。
「朝ナマ」が終わって
私がびっくりしたのは、竹中平蔵氏が「トリクルダウンなど起きるはずがない」という趣旨の発言をしたことである。
もちろん、これは正しい見方なのだろうが、トリクルダウンはアベノミクスの柱の1つではなかったのか。
⇒2015年11月 2日 (月):異次元緩和の効果と限界/アベノミクスの危うさ(58)
⇒2015年2月19日 (木):ピケティVS アベノミクス/アベノミクスの危うさ(48)
竹中平蔵氏は、アベノミクス肯定派のはずである。
田原氏との共著『ちょっと待って! 竹中先生、アベノミクスは本当に間違ってませんね?』ワニブックス(2013年12月)という本まである。
この書で竹中氏は「企業が収益を上げ、日本の経済が上向きになったら、必ず、庶民にも恩恵が来ますよ」と言ているのだ。
番組では、アベノミクスの「元祖3本の矢」や「新3本の矢」について是非を評価。冒頭、「アベノミクスは理論的には百%正しい」と太鼓判を押した竹中平蔵氏。アベノミクスの“キモ”であるトリクルダウンの効果が出ていない状況に対して、「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」と平然と言い放ったのである。
「トリクルダウンあり得ない」竹中氏が手のひら返しのア然
アベノミクスのいかさま性を見事に表している。
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