天皇陛下のお言葉と集団的自衛権/アベノポリシーの危うさ(5)
天皇・皇后両陛下が友好と慰霊のためフィリピンを訪問されている。
天皇陛下は、日本軍将兵の慰霊が目的だったのか?
そう解釈したがる向きもあるようだが、そうではあるまい。
天皇陛下は出発前や公式晩餐会の席上で、「日米が戦った市街戦で、膨大な数の無辜のフィリピン市民が犠牲になったことを、日本人は忘れてはならない」というお言葉を繰り返された。
よその国同士の戦争で犠牲になるのは不条理というしかない。
天皇陛下が出発前のお言葉でマニラ市街戦に言及されたことについて、京都大東南アジア研究所の清水展(ひろむ)教授(文化人類学・フィリピン研究)は「マニラ市街戦はフィリピン人に多くの犠牲を出した加害の象徴だが、日本国内ではあまり知られていない事実だ。加害の過去を知ってほしいという日本人に向けたメッセージではないか」と受け止める。
「フィリピンでは戦争被害を『許すが忘れない』がキーワード」と話す清水教授は、二十七日に開く大統領主催の晩さん会で陛下のお言葉に注目したいという。「フィリピンへのメッセージになり、マニラ市街戦を含む全ての戦没者への哀悼のお気持ちを示されたなら、過去にわだかまりを持つ現地の人の気持ちも和らぐだろう」と期待した。
「犠牲者、心に」慰霊の旅 フィリピン両陛下訪問
昨年、安倍政権は、積極的平和主義を標榜して、集団的自衛権の行使を軸とする安保法を成立させた。
集団的自衛権とは、同盟的関係にある他国を防衛することであるから、戦場は他国となる可能性が高い。
私は他国を戦場とすることに反対する。
安倍政権の姿勢は、天皇陛下のお言葉と真っ向から対立するものである。
ウヨク諸兄は、それを是とするのであろうか?
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