理研が新元素の命名権を獲得/知的生産の方法(141)
理化学研究所が、新元素(原子番号113)について、アジアで初めて命名権を獲得したと発表した。
理化学研究所仁科加速器研究センターの森田浩介グループディレクターを中心とする研究グループ(森田グループ)が発見した「113番元素」を、国際機関が2015年12月30日(日本時間31日早朝)、新元素であると認定しました。これに伴い、森田グループには、発見者として新元素の命名権が与えられます。欧米以外の研究者・グループに命名権が与えられるのは初めてです。
113番元素の命名権獲得
日本の科学水準の高さを示すものであり、昨年の2人のノーベル賞受賞に続く快挙である。
新たに発見が報告された元素を新元素と認めるかどうかの審議は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)と国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)が推薦する委員で組織された合同作業部会「JWP」が行う。
森田グループは、2004年からこれまでに3度合成に成功した「113番元素」を新発見の元素と主張していたが、ロシアと米国の共同研究グループも別の手法によって113番元素を合成し、発見を主張していた。
JWPの審議の結果、森田グループが113番元素の発見者であると認定し、IUPACもそれを認めた。
3度目の113番元素の同位体「113、質量数278」の合成を確認した際には、前の2度の合成とは異なる新しい崩壊経路をたどっていたという。
新元素の合成を証明するためには、その元素が崩壊した後、既知の原子核に到達することが重要で、森田グループは、6回のアルファ崩壊によってボーリウム、ドブニウム、ローレンシウム、メンデレビウムの既知の原子核に到達していることを観測した。
これらによって、「既知の同位体への崩壊」が疑う余地なく確認されたことになる。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 藤井太洋『東京の子』/私撰アンソロジー(56)(2019.04.07)
- 暫時お休みします(2019.03.24)
- ココログの障害とその説明(2019.03.21)
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 野党は小異を捨てて大同団結すべし/安部政権の命運(84)(2019.03.05)
「知的生産の方法」カテゴリの記事
- 『日日是好日と「分かる」ということ/知的生産の方法(182)(2019.01.02)
- 祝・本庶佑京大特別教授ノーベル賞受賞/知的生産の方法(180)(2018.10.02)
- この問題は、本当の問題です/知的生産の方法(179)(2018.09.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント