分ける思考(1)MECE/知的生産の方法(141)
モノ・コトを分類するのは、知的活動の第一歩といえよう。
グチャグチャとこんがらがった状態では、問題の所在さえ分からないであろう。
そもそも「分かる」と「分ける」は同源だと言われる。
坂本賢三『「分ける」こと「わかる」こと 』講談社学術文庫(2006年9月)もある。
鈴木進介『問題解決のためのセパレート思考 』フォレスト出版(2015年7月)
分類といえば、ロジカル・シンキングの定番がMECEだろう。
MECE(ミーシーもしくはミッシー、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略)とは、「相互に排他的な項目」による「完全な全体集合」を意味する言葉である。 要するに「重複なく・漏れなく」という意味である。経営学、経営コンサルティングなどの領域でよく使われる言葉である。ロジカルシンキングの一手法として日本では喧伝された、運営コンサルティング社で使われているグルーピング(grouping)の原理。
MECE
私がMECEという言葉を知ったのは、おそらく齊藤嘉則『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」 』ダイヤモンド社(1997年1月)だったと思う。
もちろん、「重複なく・漏れなく」ということは意識していたが、それをMECEということは知らなかった。
同署では、以下のような図で説明している。
最近の事例である。

選択肢が、「現在ある」と「今までに1度もない」では、「今までにあったけど現在はない」がモレている。
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