ドイツ東西統一のコンダクター・クルトマズア/追悼(79)
現代ドイツの名指揮者クルト・マズア氏が19日亡くなった。
88歳だった。
ベルリンの壁崩壊につながったとされる1989年10月9日のライプツィヒの月曜デモにおいて、民主化を要求するデモ参加者が7万人に達し、秘密警察と軍隊の銃口が市民に向けられた。
4ヶ月前の天安門事件の二の舞になることを恐れたマズアは、東ドイツ当局に対して市民への武力行使を避け、平和的解決を要望するメッセージを発表した。
1994年5月にリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領が退任した際には、一時キリスト教民主同盟の大統領候補に擬せられたこともあった。
東京新聞12月21日
日本とも縁が深かった。
1979年に読売日本交響楽団の名誉指揮者に就任し、何度も共演を繰り返してきた。
声楽家の桜井偕子と結婚し息子ケン・マズア(Ken-David Masur)をもうけた。
1991年から2002年まで、ズービン・メータの後を受ける形でニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めた。
2000年にロンドン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者に就任(2000-2007)し、2002年4月からはフランス国立管弦楽団の音楽監督(2002-2008)も務めた。
1990年代からライプツィヒにゆかりのあるフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディの作品の研究と普及に努めた。
荒廃していた住居を再建したほか、1991年にフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ基金を設立し、メンデルスゾーンの再評価を進めた。
合掌。
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