新国立競技場コンペに対する疑問/ブランド・企業論(45)
2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアム、新国立競技場が、建築家の隈研吾氏、大成建設、梓設計の3者が手掛けたA案に決まった。
新国立競技場については、当事者の無責任性と隠蔽体質により迷走が続いていた。
⇒2015年8月10日 (月):新国立競技場の迷走と情報の隠蔽/日本の針路(210)
⇒2015年7月17日 (金):新国立競技場の見直しだけで終わらせない/日本の針路(198)
無事、設計案が決まって、メデタシ、メデタシと言いたいところだが、幾つかの疑問が残されている。
一つは、応募案が2案しかなかったことだ。
A案以外には、竹中工務店などのB案だけであった。
きわめて限られた選択肢しかなかったと言えよう。
A案、B案共に、「杜のスタジアム」がコンセプトである。
東京新聞12月15日
どちらも悪くはないと思うが、なぜ最初からできないのか、という疑問も湧いてくる。
2案が公開されてから決定までに1週間であるから、一般から意見を公募するというのも形ばかりということだろう。
東京新聞12月23日
A案かB案かという二者択一ならば、どちらでも大した違いはないように思える。
採点方法は、審査委員会の7人の委員がそれぞれ9項目を6段階で評価し、140点満点で点数化したというが、配点の重み付けなどさじ加減でどうにも変えられるだろう。
評価項目の配点は「事業費の縮減」と「工期短縮」が各30点で最も高い。10点の「維持管理費抑制」と合わせた「コスト・工期」で半分の70点を占める。「日本らしさに配慮した計画」「環境計画」など5項目ある「施設計画」は各項目10点ずつの50点、事業費の上限順守などへの評価である「業務の実施方針」は20点となっている。
新国立A案採用 隈氏デザイン「8点差」決定の舞台裏
980点満点でA案は610点、B案は602点だったというが、普通これを有意差とは言わないだろう。
JSCは決定後に会見し、工期短縮の実現可能性でA案が上回ったと説明したが、両案共に要求された工期の仕様には適合しているはずである。
とすれば、仕様以外条件が決め手であったということだろうか?
談合もしくは出来レースの匂いが充満しているようだ。
ちなみに、A案の大成建設には、菅官房長官の子息が在籍しているという。
辺野古の埋め立て工事も大成建設が受託しているようだ。
そういえば、年賀状を書くために昨年もらった賀状をみると、アベノミクスのお陰で会社は順調です、と書いてあった何枚かがあった。
いずれも、建設関連である。
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