プロレスのような軽減税率の与党合意/日本の針路(266)
与党間で、再来年の消費税10%引き上げ時に導入される軽減税率の対象が「酒類と外食を除く飲食料品全般」で合意された。
果たしてスッキリと区分できたであろうか?
戸惑いは、修学旅行生らでにぎわう「京の台所」、錦市場(京都市中京区)でも同じだ。
食べ歩けるよう、だし巻き卵などを串に刺して販売する「山元馬場(ばんば)商店」は魚介類などの生鮮・加工品を取り扱う。馬場節子さん(66)は「うちは持ち帰りが前提の加工品だ」といい、軽減対象になると考えている。
一方、外国人観光客も多い錦市場では、店頭などで食べることができる仕組みを取る店舗も増えている。店内にイートインコーナーを設けている店のある男性店員は「路地が狭く、食べ歩きで迷惑がかかることがあるので、コーナーを設けた。外食にはあたらない」と自信をみせた。
東京から来た女性観光客は「商品を持ち帰れば税金が安くなるのなら、持ち帰るお客が増えるのでは。外食店の意味がなくなる」と話した。
軽減税率 たこ焼きは8%?10%? 「ルールはっきりして」店に戸惑い…
しかし線引きの結果はともかくとして、軽減税率の対象品目の線引きをめぐる与党間の議論には違和感を覚える。
来年夏の参院選をにらんだ選挙対策が優先され、本来税のあり方はどうあるべきか、という議論が見えてこないのだ。
なぜ法人税率を引き下げ、消費税率を上げるのか?
所得税はどうなのか?
日本の税の内訳は以下のようである。
⇒2015年11月29日 (日):税構造と日本経済の停滞の原因/アベノミクスの危うさ(60)
外食の範囲など、本質を逸らすための議論ではないか?
プロレスのような馴れ合いの議論の欺されてはいけない。
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