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2015年12月 9日 (水)

一億総活躍社会をどう実現するのか/日本の針路(263)

政府は、「一億総活躍国民会議」を開き、希望出生率1.8、介護離職ゼロなどの達成に向けて保育と介護の受け皿をそれぞれ、新たに50万人分拡充することなどを盛り込んだ、緊急対策を取りまとめた。
政府は、安倍総理大臣が掲げる一億総活躍社会の実現に向けた施策を検討する国民会議を、26日総理大臣官邸で開き、GDP=国内総生産600兆円、結婚や出産が希望どおり実現した場合の子どもの数=希望出生率1.8、介護離職ゼロの、3つの目標を達成するための緊急対策を取りまとめました。
緊急対策は、基本的に今年度の補正予算案で対応する、「特に緊急に対応すべき施策」と、来年度以降対応する施策に分類されています。
このうち「特に緊急に対応すべき施策」として、GDP600兆円に向けて、所得の低い年金受給者に対し、現金給付を行うとしています。
また、希望出生率1.8を実現するために、平成29年度末までに保育所などの保育サービスの受け皿を新たに50万人分拡充することや、不妊治療への助成の拡充、それに3世代同居のための住宅建設支援などを盛り込んでいます。
さらに介護離職ゼロに向けて、2020年代初めまでに特別養護老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅など介護サービスの受け皿を新たに50万人分拡充することや、都市部に特別養護老人ホームなどを確保するため、国有地の賃料を減額したり、設置基準を緩和したりすることを明記しています。
政府 一億総活躍社会へ 緊急対策取りまとめ
一億総活躍社会は、安倍首相が内閣改造にあたって掲げたスローガンである。
官邸のサイトには、次のような図で説明されている。
1
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/kinkyu_taisaku/hontai.pdf

的は、「GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」という数値である。
いずれもかなり達成するのが困難な的というのが、直感的に思うことである。

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東京新聞12月9日

2025年には団塊の世代が後期高齢者になる。
認知症患者を含め要介護人口は増大するのは避けられないと思われる。
厚労省は在宅医療・介護の方針が打ち出されているが、介護と職業生活をどう両立させるのか?

自民党の1億総活躍推進本部では27日、政府の緊急対策に対して「全体のつながりが見えない」などの批判が続出。同日の全国知事会議でも、1億総活躍が打ち出されたことで「地方創生」が後退しているのではないかとの声が相次いだ。
 党側が問題視するのは、子育て支援や介護の充実を打ち出したものの、財源が示されず、各府省の連携も不足しているとみられる点だ。わざわざ1億総活躍を掲げて期待に応えられなかった場合を懸念する声に対し、加藤氏は「来春に向けてしっかりと(正式なプランを)とりまとめていく」と繰り返した。
 一方、全国知事会は27日、「地方創生なくして1億総活躍社会の実現はない」との緊急決議を採択した。政権を挙げて1億総活躍に注力する中、昨年の看板政策だった「地方創生」がおざなりになりかねないとの懸念が知事会側にはある。1億総活躍で大都市での介護や保育の拡充が進めば、地方の人材不足が強まるとの危機感もある。
1億総活躍:緊急対策に批判続出 「地方創生おざなり」
そもそも「第一ステージ」の総括をもっと厳しく見ないと、「第二ステージ」もうまく行かないだろう。
PDCAという基本が重要であるが、自己陶酔型の安倍首相には無理だろうなあ。
⇒2015年11月18日 (水):虚妄の景気回復シナリオ/アベノミクスの危うさ(59)
⇒2015年12月 1日 (火):究極の公私混同と言うべきGPIFの資金運用/アベノミクスの危うさ(61)

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