岐路に立たされた立憲主義/日本の針路(269)
今年の総括として忘れてはならないのが、立憲主義の危機であろう。
安倍首相を取り巻く人たちを見れば、立憲主義など端から問題にしていない。
例えば、沖縄の新聞は潰した方がいいと公言する作家の百田尚樹。
⇒2015年7月 2日 (木):百田尚樹という存在の耐えられない軽さ/人間の理解(14)
報道機関への圧力を求める自民党代議士の大西英男。
⇒2015年7月 3日 (金):大西英男という安倍チルドレンの「懲りなねえ奴」/人間の理解(15)
スキャンダル続発の武藤貴也というチルドレン。
⇒2015年8月20日 (木):呆れた安倍チルドレン・武藤貴也議員/日本の針路(216)
法的安定性など関係ないと言いきった礒崎陽輔首相補佐官。
⇒2015年7月31日 (金):チーム安倍を象徴する礒崎首相補佐官の暴言/日本の針路(204)
戦後70年という節目にあたって、安倍首相は談話を発表した。
入念に推敲を重ねたことが窺われるものであったが、全体的な印象としては、口では反省しているものの、本心としてどうなのか、という感じが拭えないものだった。
⇒2015年8月15日 (土):安倍首相の「70年談話」を読む/日本の針路(213)
韓国との慰安婦問題が妥結をみたことは良いことだと思うが、同様の印象であることも事実である。
戦後70年という節目の年に大きく右旋回したことは間違いないだろう。
安倍政権は昨年7月に、閣議決定により憲法解釈を変え、2月に立憲主義を否定する考えを表明していた。
そして今年9月19日、集団的自衛権の行使を可能にすることを国会で強行可決した。
⇒2015年9月20日 (日):安倍首相の功罪/日本の針路(232)
昨年12月の衆院選では、巧妙に争点化が回避された。
消費税増税を延期することについて、国民の信を問うと言って解散したのである。
詐欺の手口であるが、騙された方にも落ち度はあるのかも知れない。
しかし、安保法制についての批判はそう簡単には終わらせない。
12月20日に、来年夏の参院選に向け、安全保障関連法廃止を訴える野党統一候補を支援すべく、市民団体が連合体を結成した。
学生グループの「SEALDs(シールズ)」の他、「ママの会」「学者の会」「立憲デモクラシーの会」「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」5団体の有志が呼びかけて発足したものだ。
祝 市民連合=「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成!
かつての「ベ平連のように広範な広がりに発展するかどうかは分からないが、安倍政権に不安と不満を持っている人は多い。
来年は、その勢力が実体としてどれだけ結集できるかが問われるだろう。
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