日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)
日本会議という団体がある。
Wikipediaでは次のように説明されている。
公式ホームページには「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を行っている民間団体」とある。
1997年5月30日に「日本を守る会」(以下「守る会」)と「日本を守る国民会議」(以下「国民会議」)とが統合して組織された。
「守る会」は、円覚寺貫主・朝比奈宗源が神道・仏教系の新宗教に呼びかけて1974年4月に結成、政治課題に対して様々な政治運動を行っていた。一方、「国民会議」は、最高裁判所長官を務めた石田和外らの呼びかけによって財界人・学者中心で、元号法制定を目的に1978年7月に結成された「元号法制化実現国民会議」をもとに、これを改組してつくられ、やはり政治運動を行っていた。
神社本庁、解脱会、国柱会、霊友会、崇教真光、モラロジー研究所、倫理研究所、キリストの幕屋、仏所護念会、念法真教、新生佛教教団、オイスカ・インターナショナル、三五教等、宗教団体や宗教系財団法人等が「守る会」以来の繋がりで多数参加している。特に神社本庁とは、「建国記念の日奉祝式典」や皇室関連の問題への取り組み等、人的交流も盛んである。2015年の時点で、日本会議の役員62名のうち24名が宗教関係者である。
日本会議は安倍首相と近い団体であり、閣僚の多くが日本会議メンバーである。
(2014年発足の第3次安倍内閣)
数ヵ月前、安倍首相の目的は、アベノミクスによる日本経済の再建だと、多くの日本人が思っていました。しかし現在、国民は、首相の真の目的は違っていたのではと考えています。経済再建は、憲法改正を国民が受け入れやすくするための手段だったのではないかということです。首相自身が創立当時からのメンバーである『日本(にっぽん)会議』の望むように、日本を帝国主義的な統治形態へ回帰させるのが目的ではないか、と疑っているのです。
国会議員の4割が参加する謎の団体「日本会議」とは
この日本会議が、夫婦別姓反対の急先鋒だという。
まずは、日本会議の公式サイトに装備されたタグクラウドを見ていただきたい。タグクラウドとは、「そのサイトで利用される語句の出現頻度と更新頻度」を、フォントの大小と濃淡で表示する仕組みだ。出現頻度が高い文字は大きく表示され、最近登場した語句は濃く表示される。
「ブラジル」が大きく濃く表示されているのは、直近に、ブラジル日本会議の活動内容を紹介する記事が公式サイトに立て続き投稿されたためである。
この「ブラジル」を除けば、「夫婦別姓」が尖閣諸島や憲法改正などと並んで、高頻度で利用されていることがわかる。事実、彼らの公式サイトにはご丁寧にも、「夫婦別姓」のためだけのコーナーが設けられている。
そして彼らは、夫婦別姓阻止をネット上で訴えたり、文書を配布したりするだけでなく、極めて熱烈な運動も展開している。
2010年、日本会議は夫婦別姓阻止の運動を行うフロント団体として「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民委員会」を結成した。発起人は、櫻井よしこ、長谷川三千子、工藤美代子などなどのおなじみの顔ぶれ。同委員会は200万筆の一般署名を集め国会議員の賛同人も百名を獲得するといった運動成果を短期間に叩き出している。
なぜ選択的夫婦別姓は最高裁で退けられたのか
こんなカルトまがいのグループが日本の政治を牛耳っているのだ。
安倍首相は下野時代、次のように言っている。
夫婦別姓は家族の解体を意味します。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという、左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)。これは日教組が教育現場で実行していることです。
「WiLL」ワック2010年7月号
最高裁判決は、憲法13条の「人格権」と憲法24条の「個人の尊厳と両性の本質的平等」に反しているとも考えられる。
最高裁判断は、現政権の考えを忖度した結果と言っていいだろう。
この国は、反知性主義に乗っ取られたと言えるのかも知れない。
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