パリ・惨劇の拡大再生産/世界史の動向(38)
今年1月、日本流に言えばまだ松の内にパリで起きたシャルリ・エブド襲撃事件は、もうずっと昔に起きた事件のように思える。
⇒2015年1月11日 (日):フランス連続テロ事件の衝撃/世界史の動向(30)
その後、イスラム国は日本人ジャーナリスト等を拘束た。
⇒2015年1月21日 (水):日本人をターゲットとしたテロと安倍政権/世界史の動向(31)
私は、もちろんテロには反対するが、安倍政権の対応の仕方にも反対である。
⇒2015年1月23日 (金):イスラム国とどう向き合うのか?/世界史の動向(32)
その後、残念ながら、心配されたように、日本人の殺害が実行されてしまった。
⇒2015年1月28日 (水):「イスラム国」のバックグランド/世界史の動向(32-2)
⇒2015年2月 1日 (日):「イスラム国」が後藤健二氏を殺害/世界史の動向(33)
その後、安倍政権は対決姿勢を鮮明にした。
⇒2015年2月 2日 (月):人命軽視の積極的平和主義/世界史の動向(34)
そして、イスラム国の脅威を奇貨として、安保法の可決まで突き進んだ。
そして、再びパリを舞台にした大規模なテロ事件である。
パリ中心部と近郊で13日夜(日本時間14日早朝)に起きた同時多発テロで、過激派組織「イスラム国」(IS)は14日、インターネット上に「(ISの)戦士たちが“不貞の都”を攻撃した。爆弾と自動小銃で武装した8人の同胞がパリの選ばれた場所を標的にした」などと犯行への関与を主張する声明を発表した。AFP通信によると、死者は少なくとも128人に上っている。また、約300人が病院に搬送され、うち80人が重体。短時間のうちに劇場やレストラン、競技場など6カ所が襲撃されており、仏メディアは「フランスで起きた戦後最悪のテロ」と伝えた。
オランド仏大統領は14日、国民向けのテレビ演説で、「フランスと、我々が世界中で守っている価値に対するISの戦争行為だ」と非難し、テロについてISの犯行と断定した。根拠は明かさなかったが、「国内の共犯者の支援を受け、海外で準備・組織・計画された」と指摘した。また、「全土は3日間の喪に服す」と述べた。
ISの声明は「いまいましい十字軍とのパリでの戦い」と題され、「ISフランス州」名義で出された。従来のISの声明と共通の書式を使い、フランスが9月からシリアで参加している対IS空爆や、イスラム教の預言者ムハンマドに対する風刺を非難した。これとは別にネット上に投稿されたIS広報部門による映像では、「空爆を続ける限り平和はないと思え。(IS支配地域に)移住できない者は仏国内で作戦を実施せよ」とテロを扇動した。
パリ同時多発テロ:ISが犯行声明 128人死亡
安倍首相は、例によって「テロには屈しない。価値観を共有する国と共に戦う」としている。
しかし、一定比率の人間が、イスラム国にシンパシーを持っている以上、イスラム国は空爆によっては無くならない。
明らかに、米ロの空爆路線は行き詰まりを見せているのだ。
東京新聞11月15日
テロを戦争に拡大するならば、イスラム国の思うつぼである。
「文明の衝突」ということになれば、世界大戦化は必至だろう。
日本人の宗教観、「山川草木悉皆成仏」の出番ではないか。
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