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2015年10月16日 (金)

介護離職対策の理想と現実/ケアの諸問題(25)

安倍晋三首相が『新3本の矢』という名の新政策を掲げた。
(1)強い経済:GDP600兆円達成を目指す。
(2)子育て支援:希望出生率1.8を目指す。
(3)社会保障:仕事と介護が両立できる社会づくり。
いずれもスローガンとしては結構であるが、現実論となるとどうだろうか?
⇒2015年10月 5日 (月):「安保の次は経済」という2匹目のドジョウ/アベノミクスの危うさ(54)

GDP600兆円は経済界からさえ批判が出ている。
団塊世代の後期高齢者入りを控えて、仕事と介護の両立の見通しはどうか?

 親などの介護で仕事を辞めざるを得ない「介護離職者」は年間10万人前後で推移しており、今後、大きな社会問題になりそうだ。首相は施設整備で対応する考えだが、多額の費用が必要で、ハードルは高い。
 介護に直面するのは企業の管理職の年代に当たる。政府の経済財政諮問会議では民間議員から離職者の増加による企業へのダメージを心配する声が上がっている。首相も先月24日の記者会見で「団塊ジュニアが大量離職すれば経済社会が成り立たなくなる」と強調。達成時期は2020年代初頭とし、団塊ジュニアの親である団塊世代が75歳以上となる25年の前に環境を整える意向だ。
 特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者(要介護3以上)は13年度で約15万人で、厚生労働省の試算では、特養の定員は25年度までに20万人増える見込みだ。ただ、厚労省は在宅中心の介護に力点を置いており、施設の大幅増設には消極的。新たに大幅な財源投入がなければ整備計画の前倒しにとどまる見通しだ。
 首相は、25年度に約38万人不足すると推計される介護人材の育成にも取り組む考えだ。そのためには全産業平均より月10万円も低い介護職員の待遇改善が急務だ。
 首相は、介護離職ゼロや職員の待遇改善という形で介護対策が現役世代にも資するとの考えを示している。しかし、ある厚労省幹部は「税収の増加分で足りなければ他の社会保障費を削ることにもなりかねない」と懸念する。
新三本の矢:介護離職ゼロ 施設整備に費用の壁

帝国データバンクの『老人福祉事業者の「休廃業・解散」動向調査』によると、2005年~2014年の10年間における老人福祉事業者の休廃業・解散は428件。
2014年は130件で、前年比1.5倍以上だ。
帝国データバンクでは、介護報酬引き下げによって、今後さらにこうした状況が進むのではないかと予測している。
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https://p-kaigo.jp/news/7923.html

介護職が低賃金であることはよく知られた事実である。
賃金の大幅な引き上げが急務であるが、介護職の給与水準を全産業平均並みにするには年間1.4兆円の財源が必要になるという試算がある。
早急に具体策を検討しないと介護離職は減少しないだろう。

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