祝・大村智氏のノーベル賞受賞/日本の針路(239)
ノーベル賞ウィークの幕開けに素晴らしいニュースが飛び込んできた。
2015年のノーベル医学生理学賞を大村智北里大特別栄誉教授と米ドリュー大のウィリアム・キャンベル博士、中国中医科学院の女性科学者の屠ゆうゆう首席研究員の3氏に授与すると発表があったのだ(※屠ゆうゆう教授の「ゆう」は口へんに幼)。
私は寡聞にして大村氏の業績を知らなかったが、受賞理由は、「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療の開発」だという。
開発途上国で感染症対策に役立っていることを、ノーベル財団は「人類への計り知れない貢献」とたたえた。
東京新聞10月6日
日本人のノーベル賞受賞も増えた。
ノーベル賞がすべてではないが、やはり大きな栄誉であり、実績である。
文字通り「地を這うような研究」のようだが、TVで拝見した人柄が何とも言えず良い。
山梨大学の出身ということで、中村修二氏の徳島大学に続き、地方国立大学に日が当たるのも良いことではなかろうか。
両大学共に、文部科学省が昨年度創設したスーパーグローバル大学には選定されていない。
土壌中の生息する微生物は、生態系の重要なプレーヤーである。
大村氏は70年代から各地で土を採取して微生物を分離・培養し、その微生物が作る化学物質に有用なものがないか調べてきた。
その中で、静岡県伊東市のゴルフ場周辺の土にいた新種の放線菌が出す物質から寄生虫に効果のある抗生物質「エバーメクチン」を発見したのが79年である。
福島原発事故で、かけがえのない土壌が広範囲に汚染されている。
それでも原発を止めない安倍政権は、基本的な素養に欠けているのではなかろうか。
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