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2015年10月19日 (月)

アカデミックVSプラグマティック/知的生産の方法(129)

今年もノーベル物理学賞は梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が受賞した。
素粒子論分野を中心に、現代物理学における日本人学者の貢献は大きい。
1949年:湯川秀樹:核力を媒介するものとして、中間子の存在を予言
1965年:朝永振一郎:「超多時間理論」と「くりこみ理論」
2002年:小柴昌俊:素粒子ニュートリノの観測による新しい天文学の開拓
2008年:南部陽一郎:素粒子物理学における自発的対称性の破れの発見
2008年:小林誠、益川敏英:小林・益川理論とCP対称性の破れの起源の発見
2015年:梶田隆章:ニュートリノ振動の発見

いずれもワクワクするような業績であるが、やはり伝統の力というか研究の蓄積の大きさを思わざるを得ない。
これらの研究を見て痛感するのは、すぐに何かに役立つためというよりも、物質の謎、宇宙の謎に迫ろうという知的好奇心の重要性である。

湯川、朝永は京都大学の同期生であるが、2人の研究に西田幾多郎の哲学が大きな影響を及ぼしているという説がある。

西田幾多郎は、西欧近代文明の根幹である物理学をパラダイムシフトさせた基本概念『場の量子論』と東洋文明古来の『無の思想』との関連を理解して、日本文明と西欧近代文明を正しく融合させ、文明パラダイムのシフトを起こし、ポストモダン文明を生み出す為に、西田哲学『場の理論』を結実させ後世に残したのです。
日本文明とは何か:理系おやじの日本文明論

さらに今西錦司の自然学も西田哲学の影響を受けているのはよく知られている。
いま大学のあり方が社会の要請との関係で問題になっている。
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就業力強化と大学講義運営

じっくり腰を据えて考えないと、百年の計を失することになりかねないだろう。
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就業力強化と大学講義運営

素粒子ニュートリノの観測による新しい天文学の開拓

博士から、

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