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2015年10月 1日 (木)

「女性の活躍」=出産と考える愚/日本の針路(236)

かつて柳沢伯夫厚労省が、女性を「子どもを産む機械」に例えて顰蹙を買ったことがある。

柳沢伯夫厚生労働相は27日、松江市で開かれた自民県議の決起集会で、「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と女性を機械に例えて少子化問題を解説した。
柳沢氏は「これからの年金・福祉・医療の展望について」と題し約30分間講演。出生率の低下に言及し「機械って言っちゃ申し訳ないけど」「機械って言ってごめんなさいね」との言葉を挟みながら、「15-50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と述べた。
女性は「産む機械、装置」 松江市で柳沢厚労相

どうも自民党は学習能力が欠如しているようである。
安倍晋三首相が新「3本の矢」政策を打ち出した。
第1の矢である「強い経済」政策としては、名目GDP(国内総生産)600兆円という目標を掲げた。

7月に公表された政府の中期財政試算において示された「経済再生ケース」では、年率3%の名目成長を続けて2020年度に594兆円になると試算しており、全く新しい数字が出たわけではない。しかし、その実現性に対し、多くの市場関係者が疑問視している。
同ケースでの経済成長率は名目3%だけでなく実質2%が前提。消費者物価指数(CPI)は2%近傍で中期的に推移する姿を描いている。だが、中国をはじめとする新興国経済が転機を迎え、世界的にディスインフレ圧力が強まるなかで、これらの高い目標を達成するのは容易ではない。前提成長率が実質1%弱、名目1%半ばの「ベースラインケース」では、2020年で552兆円にとどまる。
子育て支援や社会保障の充実という新しい第2、第3の矢の方向性は、市場でも賛同の声が多い。内需が弱々しいのは将来への不安があるためだ。人口問題や年金問題が解決に向かえば、国内消費も上向きの力が働きやすい。しかし、市場が求めているのはその具体策。総論だけでは、市場は期待さえも織り込めない。
アベノミクス相場、風向き変わり出した「第2ステージ」

そんな中で、菅官房長官が問題になりそうな発言をした。
福山雅治さんと吹石一恵さんの結婚公表を受け、女性の出産を促すような発言をしたのである。
まあ、結婚の祝辞として、「早く子どもを」という言葉はよくあることだろう。
しかし世の中には、子どもを産みたいのに産めない既婚者が大勢いる。
⇒2014年12月 9日 (火):悪いのは「産まない」か「産めない」か?/日本の針路(82)

安倍首相の「一億総活躍社会」というのは、総力戦という言葉とダブってくる。
「燃えろ一億火の玉だ」というわけである。
⇒2014年6月 4日 (水):超高齢社会と限界自治体/花づな列島復興のためのメモ(330)

そして「産めよ増やせよ」ということになる。
分かりやすいと言えば分かりやすいが、自民党執行部の感度を疑わせるのに十分だろう。

共産党の志位和夫委員長はツイッターで「『1億総活躍社会』(首相)、『たくさん産んで国家に貢献して』(官房長官)」と2人の発言を列挙。「この人たちの感覚は戦前と同じだ。こんな勢力は一刻も早く退場を!」と書き込んだ。
「産んで貢献」発言、野党批判 「強制してはならない」

次の国政選挙では、共産党もしくは共産党と選挙協力する政党へ投票しようと思う。
民主党は共産党の提案に乗らないようだから、選択肢から消える。
⇒2015年9月21日 (月):「国民連合政府」は成立するか?/日本の針路(233)

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