東京の地政学と河川史/技術論と文明論(34)
東京の発展は、徳川家康が江戸城に入ってからである。
地理的な環境と政治(軍事、外交、経済等も含む)との関係を研究する分野が地政学である。
⇒2015年7月21日 (火):歴史理解のための地政学/技術論と文明論(31)
地政学的に見て、江戸あるいは関東はどういう条件を備えていたか?
現時点で、もっとも活発に地政学的知見を発表しているのは、『日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント』清流出版(2003年12月)以来活発な著作活動を続けている竹村公太郎氏である。
竹村氏はWikipediaでは以下のように紹介されている。
元・国土交通官僚、元・国土交通省河川局長、現・財団法人リバーフロント整備センター理事長、日本水フォーラム代表理事・事務局長。専門は、土木工学(特に河川)。博士(工学)。
建設省(現 国土交通省)在籍時より作家「島 陶也(しま とうや)」として、建設関係業界紙を中心に数々のエッセイを連載している。主に、竹村の専門である下部構造(土木に関する社会資本(インフラ))を中心に、日本史や世界史の仮説を立てており、「社会資本の論客」として注目されている。また、100年後には、北海道が日本の穀倉地帯になるという持論を持っている。また、建設(国土交通)行政に関する経験、意見等を述べる際は、「島 陶也(竹村公太郎)」と付記する場合もある。
中部地方建設局(以下、地建)河川部長在任時は、当時問題となっていた長良川河口堰建設問題で、当時保有していた地建の全生データを、パネルを用いて公開に踏み切った。
また、河川局長在任時(当時、建設省)は朝日新聞のコラム欄「窓」の「建設省のウソ」におけるデータ等に対して、公開質問状のやり取りをインターネット上で全文公開し、物議をかもした。また、この責任は竹村自身が負ったとされる。
ここでは、『竹村公太郎の「地形から読み解く」日本史』別冊宝島(2015年3月)を参考にしよう。
江戸時代以前においては、利根川は東京湾に注いでおり、荒川水系と渾然としていた。
江戸時代の荒川
家康の江戸入府をきっかけとして、利根川を太平洋に流出するように流路を変更する大事業が行われた。
いわゆる利根川東遷事業である。
⇒2009年9月14日 (月):八ツ場ダムの入札延期 その3.利根川における水資源開発
⇒2013年10月24日 (木):カスリーン台風と利根川治水/戦後史断章(15)
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