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2015年9月23日 (水)

五輪エンブレム問題に見る知の衰退/知的生産の方法(128)

現代社会において、広告の力は大きい。
特に、オリンピックのような国家的規模の事業になるとさまざまな利権が付随するので生臭い話が多くなる。
2020年東京オリンピックにについても、新国立競技場や公式エンブレムのデザインをめぐってその一端が露呈している。

大きな利権が発生するようなプロジェクトの裏には、電通や博報堂などの大手広告会社が介在しているのが常識だろう。
彼らは黒子に徹し、表面に表れることは滅多にない。
ところがエンブレムのデザインの問題では電通社員の個人名まで明らかにされて叩かれている。
「週刊新潮」9月17日号の記事である。
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 この審査委員が「修正」の事実を知ったのは、エンブレムが発表される直前だった。が、審査委員8人の中に1人だけ、早くから修正について把握していた人物がいる。大手広告代理店「電通」の社員、高崎卓馬氏(45)。彼はエンブレムの審査委員であるのと同時に、
「五輪組織委員会のクリエーティブ・ディレクターでもある。彼は、審査委員としてではなく、五輪組織委員会の人間として、エンブレムの修正に携わっていたのです。修正案のデザインを審査委員に報告する役目を負っていたのも高崎氏です」(組織委関係者)
……
つまり高崎氏は、組織委員会のクリエーティブ・ディレクターとして審査委員の人選を担い、自らも審査委員となったのである。デザイン修正の際だけではなく、彼は最初の段階から、「組織委幹部」と「審査委員」という2つの顔を使い分けることのできる“特別な立場”にあったのだ。

完全に出来レースである。
仄聞するところではよくある話で、組織委や審査委の事務能力を補うために広告会社の力を借りるのである。
しかし庇を貸しているつもりが母屋そのものを乗っ取られているのだから、組織委や審査委の責任は免れない。

典型的な利権構造であり、自民党と電通の繋がりは深くて暗い。
組織委会長の森喜朗氏や事務局長の武藤敏郎氏(元財務相事務次官)などは、この構造を象徴する存在である。
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利権構造により「知」は衰退する。
安倍政権の反知性主義はその一端であろうが、デザインのような面にも現れているのである。
前回東京オリンピックの亀倉雄策氏のデザインと比べれば、利権ありきで理念なきデザインであることは明らかである。
2150923

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