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2015年8月25日 (火)

『日本のいちばん長い日』と現在/日本の針路(219)

原田眞人脚本・監督の『日本のいちばん長い日』を観てきた。
原作は、幕末からの近代史に造詣の深い半藤一利氏である。
同じ原作を、1967年に橋本忍脚本、岡本喜八監督で映画化している。
三船敏郎が阿南惟幾を演じた。

原田さんはこの映画を18歳の時に観たそうである。
三船敏郎が自分の美学を追求し過ぎだとして、好きになれなかったという。
それから50年近くである。
まさに満を持して世に問う作品と言えよう。

原田さんは沼津の出身である。
実家は旅館で、幼少期、その旅館で働いていた女性に映画を見せに劇場連れて行って貰った。
その女性から、沼津の町が空襲で半分焼けたことなどを聞き、繰り返してはいけないと感じた。

脚本段階から、阿南は役所広司さん、鈴木貫太郎は山口努さんと考えていた。
Photo

力作である。
特に現在の状況を重ね合わせると、原田さんの問題意識が浮かび上がる。
軍という権力が歯止めを失って暴走する。
結局は、天皇の聖断によってしか戦争を終結させられない。

権力の暴走を止める仕組みが憲法であり、立憲主義である。
⇒2015年5月29日 (金):立憲主義の否定は一種のクーデター/日本の針路(168)
しかし安倍政権は立憲主義を否定する。
⇒2015年7月31日 (金):チーム安倍を象徴する礒崎首相補佐官の暴言/日本の針路(204)

このような状況を考えると、まことにタイムリーな公開である。
安倍政権の暴走による戦前の歴史を繰り返してはならない。

テンポの良い演出で見どころに事欠かない。
例えば、1945年8月14日に出された通達で、閣議や軍事機構の資料を燃やすシーンがある。
権力者が自己に都合の悪いものの証拠隠滅をしている。
国民には強圧的だが、歴史の検証より保身第一であったことを描いている。

今、特定秘密保護法(と個人情報保護法)によって、多くの情報がシャットアウトされているのである。
歴史の検証に蓋をしては、同じ失敗を繰り返すだけである。

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