立憲主義を否定する武藤貴也を国会に喚問せよ/日本の針路(208)
武藤貴也という国会議員のハシにも棒にもかからないツイートについては既に触れた。
⇒2015年8月 5日 (水):武藤貴也議員のどうしようもないツイート/日本の針路(207)
余りのレベルの低劣さに、過去の発言を検索してみたら、案の定、立憲主義なんて「そんなの関係ねえ」の人であった。
そもそも「日本精神」が失われてしまった原因は、戦後もたらされた「欧米の思想」にあると私は考えている。そしてその「欧米の思想」の教科書ともいうべきものが「日本国憲法」であると私は思う。
日本の全ての教科書に、日本国憲法の「三大原理」というものが取り上げられ、全ての子どもに教育されている。その「三大原理」とは言わずと知れた「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」である。
戦後の日本はこの三大原理を疑うことなく「至高のもの」として崇めてきた。しかしそうした思想を掲げ社会がどんどん荒廃していくのであるから、そろそろ疑ってみなければならない。むしろ私はこの三つとも日本精神を破壊するものであり、大きな問題を孕んだ思想だと考えている。
日本国憲法によって破壊された日本人的価値観。
2012年7月のブログであるから、初当選の前である。
自民党執行部は、当然このような思想の持ち主だと知って公認したのであろう。
自民党の憲法改正案が国民に公知されている。
しかしそれは近代立憲主義憲法ではない。
立憲主義とは、国家権力を制限し人権を保障する法である。
法律を作るときや、それを運用するときに守らなければならないことを示したもので、国民が国家に遵守させるという、法律とは逆方向の役割を本質とするものである。
時に国家は暴走するという歴史的教訓から生まれた役割であり、現行憲法もそういう役割を担っている。
自民党の草案は、そうした従来の意味での憲法ではない。
自民党憲法草案の条文解説
国民が主権者として、「憲法の役割」はなくなり、「国家権力」(政治権力)を規制するものは皆無になり、「国家権力」はやりたい放題になります。(「国家権力絶対主権」)。
逆に国民は現憲法で最大の価値として位置づけている「国民主権」は空洞化され、(平和主義、基本的人権、)の中味は「国家権力」により奪われることになります。
「自民党改正草案」の中味は、戦前の「大日本帝国憲法」(明治憲法)に似ていますが、「権力者」を規制する「立憲主義」の意味では「大日本帝国憲法」よりさらに劣る内容になっています。
中世の絶対権力制を彷彿とさせる「自民党改正草案」が知れ渡れば「世界中からの笑いもの」になることは必死です。
青空の社会学
安倍首相が口でいくら日本国憲法の「三大原理」は自民党憲法草案でも書いてあると言っても、そもそも立憲主義ではないことには話にならない。
武藤というチンピラのような議員をまず国会に喚問して、説明させるべきだ。
憲法尊重義務に違反していることを自覚させるのは、国会の義務であろう。
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