新国立競技場の迷走と情報の隠蔽/日本の針路(210)
新国立競技場建設の迷走が続いている。
公募で選ばれたデザインが、予算の1300億円の枠内に収まらず、下村文科相は最終的に2520億円に上ると発表した。
余りに評判が悪いので、これ以上支持率が低下すると安保法案に影響すると、安倍首相が白紙に戻すことにした。
⇒2015年7月17日 (金):新国立競技場の見直しだけで終わらせない/日本の針路(198)
予算膨張の原因はどこにあるのか?
デザイナーの積算が根拠のないいい加減なものだったのか?
基本設計の段階でのチェックはなぜできなかったのか?
デザイン選考に当たって審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏は、、「コンペの与条件としての予算は1300億円であり、応募者も認識しています。提出物には建築コストについても示すように求められていました。それは当然評価の一つの指標となりました」と言及し、デザインは予算内に収まる前提で提出されているはずだったとの認識を示した。
下村文科相が「値段とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」と批判したのに反論した形である。
どこに非があったかはおいおい明らかになるであろうが、オリンピックという大義の前に、何でも許されるという風潮が、関係者の中にあったのではないかと思われる。
それは、安全保障という大義の前に、法的安定性などは関係ない、という安倍政治と共通するものであろう。
⇒2015年7月31日 (金):チーム安倍を象徴する礒崎首相補佐官の暴言/日本の針路(204)
特に、JSCの情報隠ぺい体質は厳しく問われなければならない。
東京新聞8月8日
森氏には「諸悪の根源」のイメージが拭えないが、それを隠れ蓑にして、JSCや文科省がオープンな議論をしてこなかったことが、事態の根本原因であろう。
つじつま合わせはいつか破綻する時限爆弾である。
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