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2015年8月21日 (金)

首相の取り巻き百田尚樹の歴史観/日本の針路(217)

私の友人の「安倍百田 籾井が出ると チャネル変え」という戯作ではないが、安倍首相のお仲間は、どうしてこういう人たちなのだろうか、と思う。
⇒2015年6月28日 (日):「勉強会」の暴発は自民党の焦りか?/日本の針路(187)

百田尚樹氏についての私の感じ方は、以下の投稿等で述べた。
⇒2014年12月29日 (月):百田尚樹の正体?/人間の理解(8)
⇒2014年11月28日 (金):安倍首相の盟友・百田尚樹の馬脚/日本の針路(76)
⇒2014年11月22日 (土):クリティカル思考の反面教師としての百田尚樹/知的生産の方法(111)
しかし、百田氏のような人間が、首相に近いとされる勉強会(端的には安倍応援団)に呼ばれて講演を行っていることは、やはり日本の将来にとって好ましいことではないだろう。
Kindleで国内情勢研究会『百田氏問題発言の検証、そして波紋』ゴマブックス(2015年7月)を入手したので、紹介しておこう。
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問題発言の場であった「文化芸術懇話会」については、代表に就任した木原稔党青年局長や荻生田紘一総裁特別補佐が「日本会議」の国会議員懇談会に属している。
講師の百田氏を含め、安倍首相と思想的に近い証であるとしている。
つまり「文化芸術懇話会」は、安倍首相の目指す政策実現のために、一致団結し、9月の総裁選においては無投票を目論んでいる団体だ。
ただこの会のメンバーは、首相の邪魔者は汚れ役を買って出て排除するという意気込みであるから、親衛隊の名が相応しいと言えよう。

今国会の最大のテーマである安全保障関連法案と懇話会開催に至る流れは以下のようである。
2012年衆院選において、公約の1つに集団的自衛権の行使を可能にすることがあり、安全保障基本法案をまとめた。
ところが憲法9条からして、難しい。
9条の改定については、国民からの反発があった。

そこで、96条の改定によって、ハードルを下げることを狙った。
しかしこれも目論見通りには進みそうもない。
そこで、基本法案は先送りして、あらたな安全保障法制の関連法案を決定し、今国会での成立を目指した。

安倍首相とその周辺は、安保法案が国民に理解されないのは、報道機関が批判的だからだ、と考えた。
とりわけ沖縄の地元紙がそうだ。
故に「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」ということになる。

しかし報道への責任転嫁は稚拙であり、沖縄をやり玉に挙げたことは、沖縄県民のみならず多くの日本人の神経を逆なでした。
沖縄が日本全体の安全保障問題のキーとなっていることは多くの国民が理解していることだからである。
沖縄に米軍基地の約74%が集中していて、米軍兵士の犯罪などの多くの面で負担を強いられてきた。

普天間基地の移設については、20年もの間議論されているが未だ解決していない。
沖縄県民には、沖縄が戦争に巻き込まれていないのは、平和憲法で護られているからだ、という意識もある。
こうした事情があるにもかかわらず、沖縄の地元紙を斬り捨てるかのような発言をしたのである。

百田氏は反省するどころか沖繩紙批判のボルテージはますます上がっている。

作家の百田尚樹氏が8月7日、都内で行われた集会に出席し「改めて沖縄の2つの新聞はクズやなぁと思いました」などと発言した。
百田氏が出席したのは「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」の集会。6月下旬の自民党の勉強会で百田氏が「沖縄の2つの新聞は潰さないといけない」などと発言した問題を、あらためて考えるという趣旨で開催された。櫻井よしこ氏やケント・ギルバート氏、すぎやまこういち氏らが呼びかけ人となっている。
百田尚樹氏「あらためて、沖縄の2つの新聞はクズやと思った」

私は改めて、「この人はクズやなあ」と思う。
百田氏のような人間が、仲間内の集会で意気をあげているのは勝手ではあるが、首相がこのような歴史観であるのは情けない。

昭和史に詳しい保阪正康さんは、「サンデー毎日」8月23日号の半藤一利、青木理氏との鼎談『「戦争ができる国」最終段階に突入した!』で、「本を読まない人、理詰めに考えない人」の特徴を次のように整理している。
①「形容詞を多用する」。修飾することで実体をごまかす。
②「立論をせずに主張する」。例えば「侵略に学問上の定義はない」などと突然言い出す。
③「話が5分以上もたない」。耳学問で本質的にものを捉えようとしないからである。

安倍首相は見事なまでに3つの特徴を備えている。
その首相がまったく無頓着に戦後70年の軸を変えようとしているのだ。
百田尚樹、大西英男、武藤貴也などの取り巻きの質の低さが、首相のレベルを象徴している。

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