参院で公明党は造反するか/日本の針路(203)
日増しに反対の声が増大しつつあるが、安全保障関連法案審議も舞台が参院に移った。
自民と連立を組む公明党であるが、支持母体の創価学会は「平和」を理念としている。
安倍政権も積極的平和主義を謳っているが、安保法案を平和法案というのは、カラスを白いというようなものだから、国民の理解が進むに連れ、新聞各社の調査では内閣支持率は軒並み低下している。
安保法案に関する朝日新聞の調査では「法案が成立したら日本の平和と安全を守ることに役立つ」という答えが31%で「役立たない」は42%だった。
新聞主要各紙で内閣不支持率が支持率を逆転
安倍首相は、「安保法案に対して国民の理解が進んでいない」というが、むしろ法案の違憲性の理解が進んだ結果と見るべきであろう。
東京新聞7月28日
公明党の足元で、地方議員や支持母体の創価学会員たちの反発や離反が起きているという。
愛知県武豊町の本村強町議(62)は創価学会員だが、公明党を離れ10カ月になる。「失望しました。平和の看板を掲げてきたのになぜだ、と」
まだ党にいた昨年6月、集団的自衛権に反対する意見書案を共産党議員らとともに議会に提出し、自民系議員らを説得し、1票差で可決させた。これが後に反党的だと問題視されたが、信念を貫き離党。今春、町議選に無所属で出た。学会関係者に「あなたの個人票は(学会票の)2%だ」と警告されたが前回並みの得票で3選された。一部の学会員も陰で応援してくれたという。
和歌山県岩出市の創価学会員、春村徳龍(のりたつ)さん(53)は19日、大阪での安保法案反対デモに家族で参加した。「法案は平和を求める学会の教えにそぐわない。『自民の歯止めになる』と公明党への投票を呼びかけてきたが裏切られた思いだ」
デモ行進では、学会のシンボルの三色旗に「バイバイ公明党」などとプリントしたプラカードを掲げた。別の学会員がデザインし、ツイッターで配布していたものという。
ツイッターには、東京都内の抗議デモで同種のプラカードを掲げる参加者の写真も投稿されている。春村さんは言う。「今は『点』に過ぎないが、線になり面になれば党に脅威となる。法案を止めるには学会員が声を上げるしかない」
安保法案:公明離れの学会員次々…自民と協調に「失望」
まだ氷山の一角に過ぎないが、このような動きが大きくなってくれば、公明党執行部も考えざるを得なくなるだろう。
日刊ゲンダイ7月28日
この夏は、安倍政権の命運が尽きるときとなろう。
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