火事と集団的自衛権/「同じ」と「違う」(86)
安保法案はこれから参議院で審議される。
衆議院とは異なる展開をしないと、参議院無用論が噴出することになろう。
私は、一院制よりも二院制の方がベターだと考えるから、是非衆議院との差別性を明確に示してほしい。
参議院は良識の府であると言われる。
そのカギの一つは、公明党が握っているといえよう。
平和の党を標榜してきたにもかかわらず、衆議院のようなありさまでは支持を失うと思われる。
私は公明党の支持者ではないのでそのことはどうでもいいが、同党のOBに聞くと、内部的には疑問の声も多いという。
安倍首相は、国民の理解が進んでいないと言って、TV等で自身が解説をしている。
しかし珍妙な例え話を多用するので、本人の意図とは異なり、国民は安倍首相が何か別の意図を持っているのではないかと「理解」し始めている。
⇒2015年7月19日 (日):安倍首相の例え話の耐えられない軽さ/日本の針路(199)
大体、国会での審議を強引に打ち切り、TVで解説をするということ自体、本末転倒である。
TVでは、集団的自衛権の行使容認を、町内の助け合いで説明したり、火事の例え話で説明していた。
東京新聞7月26日
しかし、武力行使の問題を火事で説明するのには無理がある。
首相は二十一日に民放BSの番組を収録。「残念ながら(安保法案に)厳しい批判がある。きっちり説明する責任が私にはある」と強調。安保法案の柱となっている他国を武力で守る集団的自衛権については、自宅と他人の母屋、その離れにたとえて説明。「(離れから)火の粉を含んだ煙が来て、自宅に火が移る明白な危険の時に、離れの消火活動に入る」と述べた。
司会者が「分からない。離れはホルムズ海峡のことか」とただすと、首相は「(米国の)イージス艦だ」と説明するなど、議論がかみ合わない場面も目立った。
首相、異例の長時間TV出演 安保で連日たとえ話
首相は支持率のために政治をするのではない、と言っている。
その言やよし、と言いたいところだが、支持率の低下は国民が安倍政権の本質を「理解」し始めたということである。
特に女性の反対が増えているようだ。
子どもを生み育てる女性は、戦争には敏感である。
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