安倍首相の例え話の耐えられない軽さ/日本の針路(199)
安倍首相が、安保法案の採決先立って自民党のインターネット番組への計5日にわたり出演し、説明をした。
各種世論調査で「政府は説明不足」とする回答が8割に上っていた状況に対し、説明責任を果たしたというアリバイ作りということだろうか。
しかし、問われているのは「国民に対する説明不足」である。
「自民党のインターネット番組への出演」では、説明したことにはならないであろう。
とはいえ、その内容が話題になったことからすれば、一定の効果はあったのかもしれない。
分かりやすい説明を勘違いして、例え話を多用した。
私の友人でスガさんという人がいたとします。このスガさんの家に強盗が入って大変だということで、私の家に「安倍さん助けて! 一緒に強盗と戦ってよ」と電話がかかってきても、私はスガさんの家まで行ってスガさんを助けることは出来ないんです。友達同士という感覚では助けに行かなければいけないが、安倍家が危ないわけではないから。(7日、今回の法案が成立しても、行使できない集団的自衛権の説明として)
たとえ話で伝わる? 安保法案、首相がネット番組で説明
こんな例で説明したことにならないのは当然である。
強盗に入られて、「一緒に戦って」などと電話をかけるか?
例え話はうまくツボを押さえれば有効であるが、外すと余計分からなくなる。
国会の論戦を通じて、多数の国民が納得するように説明するのがスジだろう。
インターネット放送では以下のような説明が行われた。
安保法案:安倍首相のネット番組 例え話の通信簿は?
さすがに、民主党の辻元清美氏から「軽すぎる」と批判が出た。
百田尚樹氏と同じで、類は似ているということだろう。
⇒2015年7月 2日 (木):百田尚樹という存在の耐えられない軽さ/人間の理解(14)
私も例え話でお返ししよう。
アベ君とアソウ君は大の仲良しである。
二人ともお金持ちの家に生まれ、生活の苦労を知らないし、余り勉強しないで過ごしてきた。
アベ君は、おじいちゃん以来の悲願である憲法改正をしようとしたが、国民の理解が得られそうもなかった。
そこでアソウ君がアドバイスした。
「ナチスの手口に倣ったらどうかね」
アベ君は、憲法改正の手続きをしないで、閣議決定だけで憲法の大事な部分について、解釈の変更をすることにした。
憲法は最高法規であるから、どんな法律も憲法の枠内でなければならない。
今まで憲法の枠を超えるとされてきたものを、枠内であるということにしたのである。
そうして、法律を作った。
アベ君は、「持つべきものはトモダチだ」と思った。
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